Lenovo V15 Gen4 AMDには一見するとよく似た「プレミアム」モデルと「パフォーマンス」モデルが存在し、どちらが自分の使い方に合っているのか、判断に迷う方も少なくないでしょう。
価格差が性能にどれほど影響するのか、また、購入してから失敗や後悔をしないために、両者の違いを正確に把握したいと考えるのは当然です。
この記事では、Lenovo V15 Gen4 AMDの購入を検討している方のために、プレミアムとパフォーマンス、両モデルの徹底的な比較を行います。
それぞれの詳細な仕様の違いから、実際のユーザーレビューに基づいた評価、そしてメモリ増設やSSD増設といった将来の拡張性に至るまで深く掘り下げていきます。
さらに、持ち運びに影響する本体の重さや、購入前に知っておくべき注意事項や留意点も網羅しています。
この記事を最後までお読みいただくことで利用目的に最適なユーザー像が明確になり、自信を持って最適な一台を選べるようになるはずです。
Lenovo V15 Gen4 AMD プレミアムとパフォーマンスの仕様比較
2つのモデルの基本仕様を解説

Lenovo V15 Gen4 AMDの「プレミアム」モデルと「パフォーマンス」モデルを比較検討する上で、まずは両者の心臓部であるCPUや、作業の快適さに直結するメモリ、ストレージといった基本仕様の違いを正確に把握することが不可欠です。
これらのモデルは、同じ「V15 Gen 4」という名前を冠してはいますが、搭載されているコンポーネントによってその性格は大きく異なります。
一方で、ディスプレイや筐体、ポート類など、多くの要素は共通化されており、価格差が純粋にどの部分の性能向上に充てられているのかを理解する上で、仕様の比較は極めて有効な判断材料となります。
プラットフォームの重要な違い
本記事で扱う両モデルは、AMDの「Zen 3」アーキテクチャを基盤とするRyzen 7030シリーズのCPUと、DDR4規格のメモリを採用しています。このプラットフォームの大きな利点は、ユーザーによるメモリ増設が可能なSO-DIMMスロットを備えている点にあります。
市場には、より古い「Zen 2」アーキテクチャとLPDDR5メモリを採用したRyzen 7020シリーズ搭載モデルも存在しますが、そちらはメモリがマザーボードにはんだ付けされているため増設が不可能です。このプラットフォームの違いを認識しておくことは、購入後の拡張性を考える上で非常に大切なポイントとなります。
主要スペック比較表
以下の表は、「プレミアム」モデルと「パフォーマンス」モデルの代表的な構成をまとめたものです。これにより、両者の違いと共通点が明確になります。
項目 | プレミアム | パフォーマンス |
---|---|---|
発売日 | 2023年2月以降、順次発売 3 | 2023年2月以降、順次発売 3 |
プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 7730U 7 | AMD Ryzen™ 5 7430U 8 |
コア/スレッド | 8コア / 16スレッド 18 | 6コア / 12スレッド 10 |
アーキテクチャ | Zen 3 (“Barcelo” Refresh) 10 | Zen 3 (“Barcelo” Refresh) 10 |
グラフィックス | AMD Radeon™ Graphics (CPU内蔵) 7 | AMD Radeon™ Graphics (CPU内蔵) 8 |
メモリ (標準/最大) | 16GB / 最大16GB (公式) 7 | 8GB / 最大16GB (公式) 8 |
メモリタイプ | DDR4-3200MHz 7 | DDR4-3200MHz 8 |
メモリスロット | オンボード 8GB + 1 SO-DIMM (空きスロットなし) 7 | オンボード 8GB (空きスロットなし) 8 |
ストレージ | 512GB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4) 7 | 256GB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4) 8 |
ディスプレイ | 15.6型 FHD (1920×1080) 7 | 15.6型 FHD (1920×1080) 7 |
パネルタイプ | IPS液晶、光沢なし 7 | IPS液晶、光沢なし 7 |
輝度 | 300 nits 7 | 300 nits 7 |
色域 | 45% NTSC 7 | 45% NTSC 7 |
キーボード | フルサイズ・キーボード (テンキー付)、JIS配列 20 | フルサイズ・キーボード (テンキー付)、JIS配列 20 |
キーボードバックライト | なし 3 | なし 3 |
Webカメラ | HD 720p、プライバシーシャッター付 20 | HD 720p、プライバシーシャッター付 20 |
有線LAN | 100/1000M (RJ-45) 20 | 100/1000M (RJ-45) 20 |
無線LAN | Wi-Fi 6 (802.11ax) 2×2 7 | Wi-Fi 6 (802.11ax) 2×2 7 |
Bluetooth | Bluetooth v5.2 20 | Bluetooth v5.2 20 |
USBポート | USB 3.2 Gen1 Type-C x1, USB 3.2 Gen1 Type-A x1, USB 2.0 x1 20 | USB 3.2 Gen1 Type-C x1, USB 3.2 Gen1 Type-A x1, USB 2.0 x1 20 |
映像出力ポート | HDMI 1.4b, USB Type-C (DisplayPort 1.2対応) 20 | HDMI 1.4b, USB Type-C (DisplayPort 1.2対応) 20 |
オーディオ | ステレオスピーカー (Dolby Audio対応), デュアルマイク 20 | ステレオスピーカー (Dolby Audio対応), デュアルマイク 20 |
セキュリティ | ファームウェアTPM 2.0, Kensington Nano Security Slot™ 9 | ファームウェアTPM 2.0, Kensington Nano Security Slot™ 9 |
バッテリー容量 | 38 Wh 7 | 38 Wh 7 |
本体寸法 | 約 359.2 x 235.8 x 19.9 mm 3 | 約 359.2 x 235.8 x 19.9 mm 3 |
本体質量 | 約 1.65 kg 3 | 約 1.65 kg 3 |
主な付属品 | 65W ACアダプター (3ピン) 7 | 65W ACアダプター (3ピン) 7 |
保証 | 1年間 引き取り修理 7 | 1年間 引き取り修理 7 |
価格帯(標準的な価格の幅) | 約8万円~10万円 3 | 約6万5千円~8万円 3 |
この表から、価格差の主な要因がCPUのグレード、そして標準で搭載されているメモリとSSDの容量にあることがわかります。
つまり、筐体デザインやディスプレイ品質、接続ポートの種類といった物理的な要素は両モデルで共通しているため、価格の差は純粋な性能向上のための対価であるといえます。
項目別で見る性能の比較
仕様の違いを把握した上で、次にその差が実際の利用シーンでどのように体感されるのか、性能面から比較してみましょう。特にCPUのコア数やメモリ容量は、PCの応答性や複数の作業を同時にこなす能力に直接的な影響を与えます。
CPU性能の差:コア数とマルチタスク能力

「プレミアム」モデルが搭載するRyzen 7 7730Uは8コア/16スレッド、「パフォーマンス」モデルのRyzen 5 7430Uは6コア/12スレッドです。
この「2コア/4スレッド」の差は、日常的なウェブブラウジングやOfficeソフトの利用といった軽作業では体感しにくいかもしれません。
しかし、複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業する、あるいは動画の書き出しやソフトウェアのコンパイル、大規模なデータ分析といったCPUに高い負荷がかかる場面では、この差が処理時間の短縮という形で明確に現れます。
PassMarkなどのベンチマークスコアを見ても、Ryzen 7 7730UはRyzen 5 7430Uに対してマルチスレッド性能で約20~25%高いスコアを示す傾向にあり、この差が価格差に見合う価値があるかどうかを判断する一つの基準となります。
メモリとストレージ容量の実際的な意味
標準搭載されているメモリ容量も大きな違いです。
「パフォーマンス」モデルの8GBは、現代のPC利用において、ウェブブラウザで多くのタブを開いたり、いくつかのアプリケーションを同時に使ったりするには十分な容量です。しかし、より快適な動作や将来的なOS・ソフトウェアの要求スペック向上を見据えると、やや心許ない場面も出てくる可能性があります。
一方、「プレミアム」モデルに標準搭載されている16GBのメモリは、大半のユーザーにとって余裕のある容量です。多くのアプリケーションをバックグラウンドで動かしながらでも、システムの応答性が高く保たれ、快適なマルチタスク環境を提供します。
ストレージ容量に関しても同様で、「パフォーマンス」モデルの256GBはOSと基本的なアプリケーションをインストールするには十分ですが、多くのデータや大容量のファイルを保存するには別途外付けドライブなどが必要になるかもしれません。対して「プレミアム」モデルの512GBは、より多くのアプリケーションやデータを本体内に保存できる余裕があります。ただし、後述するようにストレージは比較的容易に増設・換装が可能なため、メモリほどの決定的な差とは言えないかもしれません。
プレミアムモデルの処理性能

「プレミアム」モデルが持つ最大の魅力は、その心臓部であるAMD Ryzen™ 7 7730Uプロセッサーがもたらす卓越した処理性能にあります。8つの物理コアと16のスレッドという構成は、単にスペックシート上の数字が多いというだけではなく、実際の生産性に直結する大きなアドバンテージとなります。
この高いマルチタスク性能は、特にパワーユーザーやプロフェッショナルな使い方をする人々に恩恵をもたらします。例えば、プログラマーが開発環境(IDE)でコードを書きながら、仮想マシンでテスト環境を動かし、さらにバックグラウンドでコンパイルを実行するといった、CPUに極めて高い負荷がかかるシナリオにおいて、その真価を発揮します。コア数が少ないプロセッサーでは動作が遅くなったり、システム全体が応答しなくなったりするような場面でも、Ryzen 7 7730Uは余裕を持って処理をこなし、作業の待ち時間を大幅に削減できます。
また、データサイエンティストが大規模なデータセットを扱う統計解析ソフトを使用する場合や、クリエイターが複数の高解像度動画を同時に編集・エンコードするような作業においても、この処理能力の高さは作業効率を直接的に向上させます。
さらに、標準で16GBのメモリが搭載されている点も、この高性能なCPUを支える重要な要素です。多くのアプリケーションを同時に開いてもメモリ不足に陥るリスクが低く、システム全体のスムーズな動作を保証します。これは、将来的にソフトウェアがより多くのリソースを要求するようになった際にも、長期間にわたって快適な使用感を維持できる「将来性への投資」とも考えられます。
パフォーマンスモデルのコスパ
「パフォーマンス」モデルは、その名の通り、価格と性能のバランス、すなわちコストパフォーマンスに優れた選択肢です。このモデルの中核をなすAMD Ryzen™ 5 7430Uプロセッサーは、6コア/12スレッドという、現代の標準的な利用シーンにおいて十分以上の能力を持っています。
具体的には、Microsoft Officeスイート(Word, Excel, PowerPoint)での書類作成、数十のタブを開いた状態でのウェブブラウジング、ZoomやTeamsを用いたビデオ会議といった、日常的なビジネス業務や学習活動は、全くストレスなく快適にこなすことが可能です。実際に多くのユーザーレビューでも、事務処理やレポート作成といった用途では動作が非常に軽快であると高く評価されています。
このモデルの最大の魅力は、限られた予算内で、信頼性の高い実用的なパフォーマンスを手に入れられる点にあります。約6万円台からという価格設定でありながら、数年前のハイエンドモデルに匹敵するマルチスレッド性能を持つCPUを搭載していることは、特筆すべき点です。同価格帯の競合製品と比較しても、純粋な処理能力で優位に立つ場面が多く、予算を最優先しつつも、作業の快適性を犠牲にしたくないユーザーにとって、これ以上ないほど合理的な選択と言えます。
要するに、「プレミアム」モデルほどの極端なマルチタスク性能は必要としないものの、日々の作業をスムーズに進められるだけの確かな実力が欲しい、という大多数のユーザーのニーズに、この「パフォーマンス」モデルは的確に応えてくれるのです。
気になる本体の重さと携帯性

Lenovo V15 Gen4 AMDは、プレミアム、パフォーマンスの両モデルともに、公称スペックで本体の質量が約1.65kgとされています。これは、15.6インチという比較的大画面のディスプレイを搭載したノートPCとしては、比較的軽量な部類に入ります。
実際に持ち運ぶシーンを想定してみましょう。毎日通勤や通学で長時間持ち歩くには、1kg前後のウルトラブックと比較すると負担に感じるかもしれませんが、週に数回、会議室へ移動したり、たまに自宅やカフェに持ち出して作業したりする、といった用途であれば十分に許容範囲内の重さです。複数の実機レビューでも、この程度の重さであればたまの持ち運びは苦にならない、という評価が多く見られます。
また、携帯性を考える上で見逃せないのがACアダプターの存在です。付属の65W ACアダプターは、それ自体が特別大きいわけではありませんが、本体と合わせると総重量は約2kg近くになります。後述する通り、このPCはバッテリー駆動時間が長いとは言えないため、外出先で長時間使用する際にはACアダプターの携帯がほぼ必須となります。したがって、実際に持ち運ぶ際の総重量は2kg弱と見積もっておくのが現実的です。
筐体の厚みは約19.9mmとスリムに設計されており、ビジネスバッグやリュックサックにもスムーズに収納できます。総じて、毎日持ち運ぶモバイルPCとしての適性は高くありませんが、オフィス内や家庭内での移動、そして時折の外出といった使い方であれば、その重さが大きな障害になることはないと考えられます。
Lenovo V15 Gen4 AMD 購入前の評価と注意点
- ユーザーレビューに見る長所と短所
- メモリ増設の可否と注意点
- SSD増設でストレージを強化
- 事前に知っておくべき注意事項と留意点
- 各モデルの推奨ユーザー
- まとめ:Lenovo V15 Gen4 AMD プレミアムとパフォーマンス
ユーザーレビューに見る長所と短所

製品の仕様やベンチマークスコアだけでは見えてこない実際の使い勝手を知るためには、ユーザーレビューの声を参考にすることが非常に有益です。Lenovo V15 Gen4 AMDは、そのコストパフォーマンスの高さから多くのレビューが存在し、長所と短所が明確になっています。
高く評価されているポイント(長所)
- ディスプレイ品質: この価格帯のノートPCとしては、ディスプレイの品質が良好であるという評価が非常に多いです。視野角の広いIPS方式のFHD(1920×1080)パネルを搭載しており、斜めから見ても色が白っぽくなりにくく、複数人での画面共有や様々な姿勢での作業が快適です。旧世代の同価格帯モデルに多かったTNパネルからの大きな進化点として、多くのユーザーに歓迎されています。
- 豊富な接続ポート: 今日の薄型ノートPCでは省略されがちな有線LAN(RJ-45)ポートを標準で搭載している点は、ビジネスユーザーから特に高く評価されています。安定したネットワーク接続が求められるオフィス環境では大きなアドバンテージです。さらに、充電(Power Delivery)、映像出力(DisplayPort)に対応したUSB Type-Cポートも備え、拡張性は十分です。
- 優れた静音性: 省電力なプロセッサーを搭載していることもあり、冷却システムは非常に効率的に機能します。通常の軽作業中はファンが停止していることも多く、高負荷時でもファンの音は控えめです。静かな環境での使用に適している点は、明確な長所として挙げられています。
注意が必要なポイント(短所)
- 期待を下回るバッテリー駆動時間: 多くのレビューで一貫して指摘されている最大の弱点が、バッテリーの持続時間です。38Whというバッテリー容量は現代のノートPCとしては小さく、実際の使用環境では数時間程度しか持たないという報告が多数あります。外出先での利用を考える場合は、ACアダプターの携帯が必須となります。
- 価格相応の筐体とキーボード: 筐体は全体がプラスチック製で、高級感はありません。また、キーボードについては、打鍵感が柔らかすぎる、ストロークが浅い、強く打つとわずかにたわむといった指摘が見られます。テンキー付きで便利な一方、一部のキーが小さいなど独自の配列には慣れが必要な場合があるようです。
- Webカメラとスピーカーの品質: Webカメラの画質はHD 720pと低く、映像が粗いという評価が一般的です。スピーカーの音質も低音が不足しており、音楽鑑賞などには向きません。ただし、Webカメラに物理的なプライバシーシャッターが搭載されている点は、セキュリティ面での大きな利点として評価されています。
メモリ増設の可否と注意点

Lenovo V15 Gen4 AMDのメモリ増設に関しては、オンライン上で情報が錯綜しており、購入を検討する上で最も注意が必要なポイントの一つです。この混乱の原因は、製品名に内包されるハードウェアプラットフォームの違いに起因します。
増設可能なモデルと不可能なモデルの判別法
まず最も大切な点は、メモリが増設できるかどうかは搭載されているCPUの種類によって決まるということです。
- 増設可能なモデル(本記事の対象): Ryzen 7 7730UやRyzen 5 7430UといったRyzen 7030シリーズのCPUを搭載したモデルです。これらのモデルはDDR4メモリを採用しており、マザーボードに8GBのメモリがはんだ付け(オンボード)されているのに加え、ユーザーがアクセスできるSO-DIMMスロットが1基用意されています。したがって、この空きスロット(パフォーマンスモデルの場合)または使用済みスロット(プレミアムモデルの場合)を利用してメモリの増設や換装が可能です。
- 増設不可能なモデル: Ryzen 5 7520UやRyzen 3 7320UといったRyzen 7020シリーズのCPUを搭載した、より安価な構成のモデルです。これらはLPDDR5メモリを採用しており、メモリチップが全てマザーボードにはんだ付けされているため、購入後にユーザーがメモリを増設・交換することは一切できません。
購入を検討する際は、必ずCPUの型番を確認し、Ryzen 7030シリーズであることを確かめることが、将来の拡張性を確保する上で不可欠です。具体的な増設手順と非公式な大容量化
増設可能なモデルにおける手順は、底面カバーを取り外してメモリスロットにアクセスするという一般的なものです。ただし、ネジがプラスドライバーではなくトルクスドライバー(T5サイズなど)である点には注意が必要です。
Lenovoの公式仕様では最大メモリ容量は16GB(オンボード8GB + SO-DIMM 8GB)とされています。しかし、国内外のユーザーによる分解・増設報告によれば、このSO-DIMMスロットに16GBや32GBといったより大容量のメモリモジュールを装着し、システムが問題なく認識して動作するケースが多数確認されています。
例えば、32GBのモジュールを増設した場合、合計メモリは40GB(オンボード8GB + 増設32GB)となります。この構成はメーカーの公式サポート範囲外となるため自己責任での実施となりますが、より多くのメモリを必要とするパワーユーザーにとっては、非常に価値のある拡張性の高さを示しています。
SSD増設でストレージを強化

Lenovo V15 Gen4 AMDは、メモリだけでなくストレージに関しても柔軟な拡張性を備えていますが、ここにも購入時に注意すべき重要な選択肢が存在します。
特に、2.5インチドライブベイの有無は、モデルの構成によって決まるため、見過ごすことのできないポイントです。
プライマリストレージ(M.2 SSD)の交換
標準で搭載されているM.2 SSDは、ユーザーによる交換・アップグレードが可能です。
底面カバーを取り外すことでスロットにアクセスでき、より大容量のSSDに換装することができます。
多くのユーザー報告によると、標準搭載の短い2242サイズのSSDを、より一般的で大容量の選択肢が豊富な2280サイズのSSDに換装することも可能です。
これにより、将来的にストレージ容量が不足した場合でも、比較的容易に対応することができます。インターフェースはPCIe Gen4に対応していますが、プラットフォームの制約により実際の転送速度はGen3相当になる可能性がある点には留意が必要です。
セカンダリストレージ(2.5インチベイ)の「隠れた」拡張性
このPCの特筆すべき特徴の一つが、モデルの構成次第で2.5インチサイズのSATA HDDまたはSSDを増設できるスペースが存在する点です。これにより、高速なM.2 SSDをOSやアプリケーション用に、そして安価で大容量な2.5インチドライブをデータ保存用にと使い分ける、デュアルストレージ環境を構築できます。
この拡張性の有無は、購入時に選択されたバッテリーの容量に直結しています。
- 増設可能な構成: より小型の38Whバッテリーを搭載したモデルでは、バッテリーが占有しないスペースに2.5インチドライブ用の空きベイが確保されています。この構成のモデルを選択することで、後からSATAドライブを追加できます。
- 増設不可能な構成: より大容量の45Whや47Whといったバッテリーを搭載したモデルでは、その大きなバッテリー自体が2.5インチベイのスペースを物理的に占有してしまいます。そのため、これらのモデルでは後から2.5インチドライブを増設することはできません。
この「バッテリー駆動時間」と「ストレージ拡張性」はトレードオフの関係にあります。
大容量のデータをPC本体に保存したいと考えるユーザーは、購入時に必ずバッテリー容量が38Whのモデルを選択し、2.5インチベイが利用可能であることを確認することが極めて大切です。
購入前に知っておくべき注意事項と留意点
Lenovo V15 Gen4 AMDは非常にコストパフォーマンスに優れた製品ですが、その価格を実現するためにいくつかの点が割り切られています。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、事前に以下の注意事項と留意点を十分に理解しておくことが大切です。
バッテリー駆動時間への過度な期待は禁物
前述の通り、本製品のバッテリー駆動時間は現代のノートPCとしては短い部類に入ります。
公称値はあくまで理想的な条件下でのものであり、実際の利用環境では数時間で電源が必要になるケースが多いと考えるべきです。
主に電源の取れる場所(オフィス、自宅、カフェなど)で利用することを前提とし、頻繁に場所を移動しながら長時間バッテリーのみで作業するような使い方を想定している場合は、他のモデルを検討する方が賢明かもしれません。
価格相応のビルドクオリティ
筐体は全体がプラスチック製であり、アルミニウム合金などを採用した高価格帯のモデルと比較すると、質感や剛性の面で見劣りします。
キーボードを強く叩いた際のわずかなたわみや、ディスプレイのヒンジ部分の耐久性に対する懸念も一部のユーザーから報告されています。
米軍の調達基準であるMIL-STD-810Hに準拠していると謳われていますが、これは特定の条件下での耐衝撃性を示すものであり、日常的な開閉によるヒンジ部分の疲労まで保証するものではありません。
ディスプレイを開閉する際は中央部分を優しく持つなど、丁寧な取り扱いが長期的な利用の鍵となります。
搭載されていない機能の確認
コスト削減のため、いくつかの便利な機能が搭載されていません。最も代表的なものはキーボードバックライトです。暗い場所で作業する機会が多いユーザーにとっては、不便に感じる可能性があります。また、指紋認証や顔認証といった生体認証機能も非搭載のため、WindowsへのログインはパスワードまたはPINの入力が必要です。SDカードスロットもないため、デジタルカメラなどからのデータ取り込みには別途カードリーダーが必要になります。これらの機能が自分にとって必須かどうか、購入前に自問自答してみることをお勧めします。
各モデルの推奨ユーザー

これまでの分析を踏まえることで、Lenovo V15 Gen4 AMDの「プレミアム」モデルと「パフォーマンス」モデル、それぞれがどのようなユーザーに最適なのかが明確になります。あなたの使い方や価値観と照らし合わせ、最適なモデルを選びましょう。
「パフォーマンス」モデルを推奨するユーザー
「パフォーマンス」モデルは、以下のような方に特におすすめです。
- 予算を最優先し、最大限の実用性を求める方: 学生や個人事業主、企業の備品として、限られた予算内で信頼性の高いPCを導入したい場合に最適です。6コア12スレッドのCPUは、日常的な業務や学習において十分な性能を発揮します。
- 主な用途が標準的なオフィスワークやウェブ利用の方: Wordでの書類作成、Excelでのデータ入力、ウェブでの情報収集、オンライン会議などが主な使い方であれば、このモデルの性能で不満を感じることはほとんどないでしょう。
- 将来的なストレージ拡張を重視する方: 標準のSSD容量は256GBと控えめですが、2.5インチベイが利用可能な38Whバッテリーモデルを選んでおけば、後から安価に大容量HDD/SSDを増設できるため、データストレージの柔軟性が高まります。
要するに、プレミアムな質感や最高のパフォーマンスよりも、日々の作業を快適にこなせる「堅実な道具」としての価値を重視するユーザーにとって、パフォーマンスモデルは極めて賢明な選択となります。
「プレミアム」モデルを推奨するユーザー
一方、「プレミアム」モデルは、以下のような方にその真価を発揮します。
- 複数の高負荷アプリケーションを同時に使用するパワーユーザー: ソフトウェア開発、大規模なデータ分析、仮想マシンの利用、軽度の動画編集など、CPUに高い負荷がかかる作業を頻繁に行う方には、8コア16スレッドの処理能力が大きなアドバンテージとなります。
- PCを長期間、快適に使い続けたいと考える方: 標準で16GBのメモリと余裕のあるCPU性能は、将来的にソフトウェアが要求するスペックが高くなっても対応できる「将来性」への投資と考えることができます。PCの買い替えサイクルを長くしたい方にも適しています。
- わずかな待ち時間も惜しい、生産性を最大限に高めたい方: アプリケーションの起動や処理の待ち時間が短縮されることは、日々の生産性に直接的に貢献します。この「時間の節約」という価値に対して、価格差を許容できる方におすすめです。
ただし、支払う追加コストは純粋にCPU性能と標準のメモリ/SSD容量に対するものであり、ディスプレイや筐体の品質は向上しないという点を理解しておく必要があります。
まとめ:Lenovo V15 Gen4 AMD プレミアムとパフォーマンス
- Lenovo V15 Gen4 AMDはコストパフォーマンスに優れたビジネス・学習向けノートPC
- プレミアムモデルはRyzen 7 7730U(8コア/16スレッド)を搭載
- パフォーマンスモデルはRyzen 5 7430U(6コア/12スレッド)を搭載
- 両モデルとも成熟したZen 3アーキテクチャとDDR4メモリを採用
- CPUと標準のメモリ/SSD容量以外、筐体やディスプレイなどの基本要素は共通
- メモリ増設は可能だが、Ryzen 7030シリーズ搭載モデルであることが絶対条件
- 38Whバッテリーモデルを選択すれば2.5インチドライブの増設が可能
- IPS液晶パネルは視野角が広く見やすいが、色再現性は高くない
- バッテリー駆動時間は短く、ACアダプターの携帯が推奨される
- 有線LANポートやプライバシーシャッター付きカメラなどビジネスに有利な機能を搭載
- キーボードバックライトや生体認証機能は非搭載
- パフォーマンスモデルは予算重視で標準的な使い方をするユーザーに最適
- プレミアムモデルは高負荷なマルチタスクや将来性を重視するパワーユーザー向け
- 購入前にはヒンジの耐久性など価格相応のビルドクオリティを理解することが大切
- 自分の用途と予算を明確にすることで、最適なモデルを選択できる
参照サイト
- Lenovo V15 Gen 4 入荷!ビジネススタイリッシュノートをドームロボが解説! – DO-MU ブログ
https://blog.at-mac.com/archives/13246 - Top 10 Lenovo laptops: Best all-rounders for work, gaming, browsing and entertainment
https://www.livemint.com/technology/gadgets/top-10-lenovo-laptops-best-all-rounders-for-work-gaming-browsing-and-entertainment-11751438964633.html - Lenovo V15 Gen 4 AMD | どこでも生産性を向上させる15.6型ノート https://www.lenovo.com/jp/ja/p/laptops/lenovo/lenovo-v-series/lenovo-v15-gen-4-15-inch-amd/len101l0027
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- AMD Ryzen 5 7430U Processor – Benchmarks and Specs – NotebookCheck.net Tech https://www.notebookcheck.net/AMD-Ryzen-5-7430U-Processor-Benchmarks-and-Specs.950966.0.html
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- Lenovo V15 Gen 4 AMDのレビュー Ryzen 7000シリーズ搭載ビジネスPC – パソコンガイド
https://for-real.jp/lenovo-v15-gen-4-amd-review/ - Lenovo V15 Gen4 価格.com限定・AMD Ryzen 5 7430U・16GBメモリー・512GB SSD・15.6型フルHD液晶搭載 パフォーマンス 82YYCTO1WW [ブラック]のクチコミ https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001608618/SortID=25889999/
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- Lenovo V15 Gen 4 AMD Ryzen 5 7520U・8GBメモリー・256GB SSD・15.6型フルHD液晶搭載 82YU00TFJP [ブラック] – 価格.com
https://kakaku.com/item/K0001520083/ - AMD Ryzen 7 7730U – Specs, Benchmark Tests, Comparisons, and Laptop Offers https://laptopmedia.com/processor/amd-ryzen-7-7730u/
- AMD Ryzen 7 7730U – CPU Benchmarks
https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=AMD+Ryzen+7+7730U&id=5215 - 製品シリーズ 注釈 Lenovo V15 Gen 4 AMD Web Commercial 製品番号 82YY003HJP 82YY003GJP 保守用製品番号 82YY003HJ – Lenovo Static Resource Server 1
https://p2-ofp.static.pub/ShareResource/JPCatalog/20250115-v15g4amd-web.pdf