マウスコンピューターのNEXTGEAR JG-A5G60は、同社のプレミアムゲーミングブランド「G-Tune」よりもコストパフォーマンスを重視したECサイト限定ブランド「NEXTGEAR」の中核をなす製品です。
この記事では、基本的な性能はもちろん、WiFiの仕様や主要ゲームにおけるフレームレート、さらには利用者のリアルな口コミまで徹底的に掘り下げて解説します。
また、これからPCゲームを始める方に人気のスターター5点セットや、洗練されたデザインが魅力のホワイトカラーモデルとの違いについても詳しく比較します。
また、購入後に後悔しないために知っておくべき注意点や留意点も網羅的にご紹介するため、あなたにとって最適な一台かどうかが明確になるでしょう。
NEXTGEAR JG-A5G60の総合評価と性能レビュー
- NEXTGEAR JG-A5G60の仕様詳細と評価
- 実際の利用者の口コミから分かる評判
- 主要ゲームにおける性能と実力
- 人気タイトルの平均フレームレート
- WiFi接続は標準搭載?オプションを解説
NEXTGEAR JG-A5G60の仕様詳細と評価

NEXTGEAR JG-A5G60は、ECサイト限定ブランド「NEXTGEAR」の中核をなす、極めて戦略的なゲーミングPCです。
多くの専門家やレビューサイトでは、その最大の魅力が13万円台からという攻撃的な価格設定にあると評価されており、この価格を実現するため、最新世代のGPU「NVIDIA GeForce RTX 4060」と、一つ前の世代のCPU「AMD Ryzen 5 4500」を組み合わせるという、意図的なコンポーネント選択がなされています。
この構成により、PCゲーマーの中で最も主流であるフルHD(1080p)解像度でのゲームプレイにおいて、価格を大きく超えるパフォーマンスを発揮します。
一方で、CPU性能が求められる動画編集や、極端な高フレームレートを要求する競技性の高いゲームプレイでは、性能の限界が見られる点も指摘されています。
したがって、本機の価値は利用者の主な用途に大きく左右されると言えます。
3年間の長期保証と24時間365日の電話サポートが付帯することも、ハードウェアのスペックだけでは測れない大きな付加価値であり、特にPC初心者にとっては心強い要素だと言えるでしょう。
※NEXTGEAR JG-A5G60の詳細仕様表
項目 | 仕様 |
---|---|
発売日 | 2023年8月23日 (NEXTGEARブランド1周年記念モデルとして) 1 |
モデル名 | NEXTGEAR JG-A5G60 |
OS | Windows 11 Home 64ビット 2 |
CPU | プロセッサー: AMD Ryzen™ 5 4500 プロセッサー 2 コア/スレッド: 6コア / 12スレッド 2 ベースクロック: 3.60GHz 2ブーストクロック: 最大 4.10GHz 2L3キャッシュ: 8MB 2 TDP: 65W 3 |
CPUクーラー | 空冷CPUクーラー (標準リテールクーラー) 4 |
CPUグリス | 標準CPUグリス (BTOにて高性能グリスへの変更可能) 6 |
グラフィックス | モデル: NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 2 NVIDIA® GeForce RTX™ 5060 ビデオメモリ: 8GB GDDR6 2 |
メモリ | 標準容量: 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) 2 種類/速度: DDR4-3200 2スロット数/最大容量: 4スロット (空き2) / 最大64GB (16GB×4) 2 |
マザーボード | チップセット: AMD B550 2 フォームファクター: Micro ATX (ASRock製 B550M Pro4などが採用例として確認) 5 |
ストレージ | M.2 SSD: 1TB (NVMe) 2 (一部モデルでは500GB構成も存在 8) 拡張ベイ: 2.5インチシャドウベイ×2 (空き2) 2 |
電源 | 750W (80PLUS® BRONZE認証) 2 |
ケース | モデル: 【NEXTGEAR】ミニタワーケース 6 ・フォームファクター: ミニタワー 4 ・カラー: ブラック / ホワイト 9 ・寸法 (突起物含む): 約 220mm (幅) × 424mm (奥行き) × 410mm (高さ) 2 ・重量: 約 8.6kg (標準構成) 2 |
ケースファン | 標準で前面×1、背面×1搭載。最大6基まで拡張可能 (前面×3, 天面×2, 背面×1) 4 |
前面インターフェース | USB 3.0 (Type-A) ×2, マイク入力 ×1, ヘッドホン出力 ×1 2 |
背面インターフェース | USB 3.1 (10Gbps, Type-C) ×1, USB 3.1 (10Gbps, Type-A) ×1, USB 3.0 (5Gbps, Type-A) ×4, USB 2.0 (Type-A) ×2 (うち1基は常時給電対応), PS/2ポート ×1, LAN (RJ-45) ×1, マイク入力 ×1, ラインイン ×1, ラインアウト ×1 2 |
映像出力端子 | DisplayPort ×3, HDMI ×1 (最大4画面同時出力対応) 2 |
拡張スロット | PCI Express ×16: 2 (空き1、うち1スロットは×4動作), PCI Express ×1: 1 (空き0) 2 |
拡張ストレージベイ | 2.5インチ シャドウベイ ×2 (空き2) 2 |
ネットワーク | 有線LAN: 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T (RJ-45) ×1 2 ・無線LAN: 標準では非搭載 (BTOオプションにてWi-Fi 6E対応カードなどを追加可能) 5 |
サウンド | ハイデフィニション・オーディオ 2 |
セキュリティ | fTPM (CPU統合, TPM 2.0準拠) 2 |
保証 | 3年間センドバック修理保証 8 |
サポート | 24時間×365日電話サポート 8 |
主な付属品 | マニュアル類, 保証書, 電源コード, 強化ガラスサイドパネル 2 |
価格帯(標準的な価格の幅) | 単体モデル: 129,800円~174,900円 (税込) 8 ・周辺機器セットモデル: 169,900円~199,800円 (税込) 8 |
実際の利用者の口コミから分かる評判

実際にNEXTGEAR JG-A5G60を購入したユーザーからの口コミを調査すると、評価は主に「用途」によって分かれる傾向にあります。
肯定的な意見としては、「フルHD環境でゲームを遊ぶなら最高のコストパフォーマンス」「ほとんどのゲームが高設定で快適に動く」「白を基調としたデスクに合うおしゃれなPCで満足」といった声が多く見られます。特に、これまで家庭用ゲーム機で遊んでいたユーザーや、初めてゲーミングPCを購入する層からは、設定の容易さや価格以上の性能に満足する意見が目立ちます。
一方で、否定的な、あるいは慎重な意見も存在します。
具体的には、「高負荷時のファン音が思ったより大きい」「ゲームをしながらの配信作業にはCPUパワーが足りない」「最新のPCとしてはCPUがボトルネックになっている」という指摘です。これらの口コミは、本機が持つ構造的な特徴、すなわちGPU性能を優先しCPUコストを抑えた設計に起因するものと考えられます。
これらのことから、NEXTGEAR JG-A5G60は、フルHDでのゲームプレイを主目的とし、コストを最優先するユーザーにとっては非常に満足度の高い製品である一方、クリエイティブな作業や静音性を重視するユーザーは、購入前にその特性を十分に理解しておく必要があります。
主要ゲームにおける性能と実力

NEXTGEAR JG-A5G60の性能は、フルHD(1920×1080)解像度でのゲームプレイに最適化されています。このPCの心臓部であるGeForce RTX 4060は、最新のゲームを高画質で滑らかに動作させる能力を持っています。
その理由は、フルHD環境では多くの場合、CPUよりもGPUの性能がフレームレートを左右する「GPU律速」という状況になりやすいためです。本機は、この状況を巧みに利用し、CPUのコストを抑えつつ、ゲーマーが最も体感しやすいグラフィックス性能にリソースを集中させています。
具体的には、人気バトルロイヤルゲームなどでは、高画質設定でも144Hzのゲーミングモニターの性能を十分に引き出せる高いフレームレートを維持できます。また、より高い解像度であるWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)でのプレイも、RTX 40シリーズ限定のAI技術「DLSS 3」を利用することで、多くのタイトルで快適なプレイが可能になります。DLSS 3は、AIが新たなフレームを生成してフレームレートを飛躍的に向上させる技術で、これにより本来のハードウェア性能以上のパフォーマンスを引き出せるのです(GeForce RTX™ 5060版は、新技術「DLSS 4 Multi Frame Generation」に対応)。
要するに、本機は1080pゲーミングの覇者であり、DLSSという強力な武器によって、より高いレベルのゲーミングにも挑戦できるポテンシャルを秘めているということです。
人気タイトルの平均フレームレート

NEXTGEAR JG-A5G60が、実際の人気ゲームでどの程度のフレームレートを発揮するのかは、購入を検討する上で最も気になる点の一つです。
以下に、複数の第三者機関によるベンチマークテストから得られた、フルHD(1920×1080)解像度・高画質設定における平均フレームレートの参考値を表にまとめます。
ゲームタイトル | 平均フレームレート (フルHD・高設定) | 備考 |
---|---|---|
Apex Legends | 約 140~170 fps | 144Hzモニターの性能を最大限に活かせる |
フォートナイト | 約 75~100 fps (最高設定) | DLSS利用でさらに向上が可能 |
VALORANT | 約 250~350 fps | 競技性の高いプレイにも十分対応可能 |
パルワールド | 約 60~80 fps | 快適なプレイが可能 |
ストリートファイター6 | 約 60 fps | 格闘ゲームの基準値を安定して維持 |
※フレームレートはゲームのバージョン、グラフィックドライバ、プレイ状況によって変動します。
表から分かる通り、多くの人気タイトルで快適なプレイの目安とされる60fpsを大幅に上回る性能を示しています。特にApex LegendsやVALORANTのような競技性の高いFPSタイトルでは、高リフレッシュレートモニターと組み合わせることで、非常に滑らかで有利なゲーム体験が期待できます。この卓越した1080pゲーミング性能こそが、本機の最大の強みと言えます。
WiFi接続は標準搭載?オプションを解説
NEXTGEAR JG-A5G60は、標準構成では無線LAN(WiFi)およびBluetooth機能を搭載していません。
これは、有線LAN接続が主流であるコアなゲーマー層をターゲットとし、初期費用を可能な限り抑えるための戦略的な仕様です。したがって、PC本体をルーターから離れた場所に設置する場合や、ケーブルレスのすっきりとした環境を構築したい場合には、別途対応が必要になります。
対応策は主に二つあります。
一つ目は、購入時のBTO(Build to Order)カスタマイズで無線LANカードを追加する方法です。マウスコンピューターの公式サイトでは、最新規格である「Wi-Fi 6E」に対応した内蔵カードをオプションとして選択できます。これにより、高速で安定した無線通信が可能となり、外付けアダプタのようにUSBポートを専有することもありません。
二つ目は、市販のUSB無線LANアダプタを別途購入して利用する方法です。手軽に導入できるメリットがありますが、製品によって性能や安定性に差があるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
以上の点を踏まえると、購入後の手間や安定性を考慮すれば、BTOオプションで内蔵カードを追加しておくのが最もスマートな選択肢と考えられます。
NEXTGEAR JG-A5G60のモデル選びと留意点
- 初心者に最適なスターター5点セット
- デザイン重視のホワイトカラーモデル
- 購入前に知っておくべき注意点と留意点
初心者に最適な スターター5点セット

「スターター5点セット」は、「PCでゲームを始めたいけれど、何から揃えればいいか分からない」という初心者の悩みを解決するために用意された、オールインワンパッケージです。PC本体に加えて、ゲーミングモニター、キーボード、マウス、ヘッドセットという、ゲームプレイに必須の周辺機器4点が同梱されています。
セット内容と特徴
このセットの魅力は、届いたその日から本格的なゲーミング環境が整う手軽さにあります。同梱される周辺機器は、Logicoolやiiyamaといった定評のあるブランドの人気モデルが採用されており、単なる付属品ではない実用性の高い構成です。例えば、モニターは165Hzの高リフレッシュレートに対応しており、滑らかな映像でゲームを楽しめます。
標準モデルとの違いと注意点
ただし、このセットを選ぶ際には重要な注意点があります。それは、PC本体のM.2 SSDの容量が、標準モデルの1TBから512GBに削減されている点です。近年のゲームは1タイトルで100GBを超えることも珍しくなく、複数のゲームをインストールしたい場合、512GBではすぐに容量が不足する可能性があります。この点は、パッケージ全体の価格を抑えるためのトレードオフと言えます。
したがって、スターター5点セットは究極の手軽さを提供する一方で、ストレージ容量には不安が残ります。多くのゲームを楽しみたいユーザーは、購入時にBTOカスタマイズでSSDを1TBにアップグレードすることを強く推奨します。
デザイン重視の ホワイトカラーモデル

NEXTGEAR JG-A5G60には、標準のブラックモデルに加えて、デザイン性を重視した「ホワイトカラーモデル」がラインナップされています。基本的なPCコンポーネントの性能はブラックモデルと同一ですが、PCデスク周りのインテリアや見た目にこだわりたいユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢です。
外観とライティング
ホワイトカラーモデルの最大の魅力は、その洗練された外観にあります。白で統一されたクリーンな筐体は、従来の武骨なゲーミングPCのイメージを払拭し、部屋のインテリアにも自然に馴染みます。
さらに、このモデルには標準でRGB LEDファンが搭載されています。強化ガラスのサイドパネルを通して内部が美しく照らされ、天面のスイッチで手軽に発光色やパターンを変更できます。このライティング機能は、ゲームの没入感を高めるだけでなく、所有する喜びも満たしてくれます。
ブラックモデルとの違い
ブラックモデルとの主な違いは、「筐体カラー」と「RGBファンの標準搭載」、そしてそれに伴う「価格」です。ホワイトモデルは、これらの付加価値がある分、若干価格が高く設定されています。性能向上に直接繋がる部分ではないため、この価格差をデザインへの投資と捉えられるかどうかが、選択の分かれ目となります。純粋なコストパフォーマンスを追求するならブラックモデルが、日々の満足度や見た目の美しさを重視するならホワイトモデルが適していると考えられます。
購入前に知っておくべき注意点と留意点

NEXTGEAR JG-A5G60は優れたコストパフォーマンスを誇りますが、その価格を実現するためのトレードオフとして、いくつかの注意点が存在します。購入後に後悔しないためにも、これらの点を事前に把握しておくことが大切です。
CPU性能の限界
最大の注意点は、CPUにAMD Ryzen 5 4500を採用している点です。
このCPUは、最新のCPUと比較すると処理性能が低く、特にCPU負荷が高い状況で性能の頭打ち(ボトルネック)を引き起こす可能性があります。
例えば、ゲームをしながらの配信や、動画編集といったクリエイティブな作業には不向きです。あくまでゲーミングに特化した構成であると理解する必要があります。
冷却ファンの騒音
標準搭載のCPUクーラーは基本的なモデルであり、高負荷時にはファンノイズが顕著になる傾向があります。
多くのレビューで「静音性には期待できない」と指摘されており、静かな環境でプレイしたいユーザーや、スピーカーでの利用を考えているユーザーにとっては、デメリットとなり得ます。ヘッドセットを常用するゲーマーであれば気にならないかもしれませんが、音に敏感な方は注意が必要です。
優れたアップグレード性
一方で、本機は将来的なアップグレードのポテンシャルが非常に高いという長所も持ち合わせています。
マザーボードにはB550チップセット、電源には余裕のある750Wユニットが採用されており、将来的に高性能なCPUやGPUに換装するための優れた基盤となります。
初期投資を抑えてPCゲーミングを始め、数年後にパーツを交換して性能を向上させる、といった長期的な視点を持つユーザーにとっては、この点は大きなメリットになります。