Thinkpad E16 Gen 2 AMD を徹底レビュー|高性能と高いコスパが魅力の一台

Thinkpad E16 Gen 2 AMD-アイキャッチ画像 ノートPC
Digital Chronicle

ビジネスシーンでの高い信頼性を誇るLenovo Thinkpadシリーズの中でも、特にコストパフォーマンスに注目が集まるThinkpad E16 Gen 2 AMDモデルについて、その実際の性能や使い勝手に関心が集まっています。

具体的には、搭載されているAMD Ryzenプロセッサーの性能、特にamd ryzen 7 7735hsの性能はどの程度なのか、そしてメモリ増設やSSD増設といった拡張性は確保されているのか、といった点は重要なポイントになります。

また、旧モデルであるGen1とGen2でどのような違いがあるのか、詳しい仕様やスペック、発売日に関する情報も気になるところです。
さらに、用途としてゲーム性能や動画編集の快適さはどの程度期待できるのか、あるいは価格com限定モデルのようなお得な選択肢は存在するのかなど、購入を検討する上で解消しておきたい疑問は多岐にわたるのではないでしょうか。

この記事では、Thinkpad E16 Gen 2 AMDに関するこれらの疑問点を解消し、製品選びの確かな判断材料を提供します。

  • 記事のポイント
    • Thinkpad E16 Gen 2 AMDの主要な仕様やスペックの詳細
    • 旧モデルGen1との具体的な違いや進化点
    • SSDやメモリ増設といった拡張性と手順の概要
    • Ryzen 7 7735HS搭載時の性能や動画編集・ゲームへの適性

Thinkpad E16 Gen 2 AMD の仕様概要レビュー

Thinkpad E16 Gen 2 AMD の仕様
Digital Chronicle:イメージ
  • Thinkpad E16の仕様・スペック詳細
  • Thinkpad E16 Gen2の発売日はいつ?
  • E16のGen1とGen2の違いを解説
  • SSD増設でストレージを強化
  • メモリ増設によるパフォーマンス向上

Thinkpad E16の仕様・スペック詳細

Thinkpad E16 Gen 2 AMDは、ビジネス用途に適した堅牢性と、多様なニーズに応えるカスタマイズ性を備えたノートパソコンです。
まず、この製品の根幹を成すCPUには、AMD Ryzen 3 7335UからRyzen 7 7735HSまで、複数の選択肢が用意されています。これにより、予算や求める処理性能に応じて最適なプロセッサーを選ぶことが可能です。

メモリに関しても、標準で8GBから、最大で32GB(製品仕様書上、ユーザーによる増設で最大64GBまで対応可能な情報もあり)まで搭載でき、規格は高速なDDR5-4800を採用しています。
ストレージはPCIe NVMe SSDが標準で、256GBから1TBまでの容量を選択可能です。さらに、M.2スロットに空きがあるため、デュアルSSD構成による増設も行えます。

ディスプレイは16型で、アスペクト比が16:10と縦に広いため、作業領域を広く確保できる点が特徴です。解像度はWUXGA (1920×1200)が基本ですが、オプションでWQXGA (2560×1600)の高精細IPS液晶も選択できます。特にWQXGA液晶はsRGBカバー率100%の高い色再現性を持ち、画像編集などクリエイティブな作業にも対応します。

インターフェースも充実しており、USB Type-Cポート(USB 3.2 Gen 2およびGen 1、映像出力とPowerDelivery対応)、USB Type-Aポート(USB 3.2 Gen 2およびGen 1)、HDMIポート、有線LANポート(RJ-45)、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャックを備えています。ただし、SDカードスロットは搭載されていないため、必要な場合は別途アダプターを用意する必要があります。

キーボードはThinkPad伝統の打ちやすさを継承し、テンキーも搭載しています。一部モデルではバックライト付きキーボードも選択可能です。本体の質量は約1.81kgからとなっており、16型ノートパソコンとしては標準的な重さと言えるでしょう。バッテリー容量は47Whまたは57Whから選択でき、構成によって駆動時間が変動します。

このように、Thinkpad E16 Gen 2 (AMD)は、用途に合わせてスペックを柔軟に選択でき、ビジネスシーンで求められる信頼性と拡張性を兼ね備えたモデルであると言えます。

Thinkpad E16 Gen 2 AMD 主な仕様一覧

項目Ryzen™ 5 / 16GB / 256GB (21M6S0KL00) 仕様Ryzen™ 7 / 32GB / 256GB (21M5CTO1WW プレミアム2) 仕様Ryzen™ 7 / 32GB / 1TB (21M5CTO1WW プレミアム) 仕様
製品名Lenovo ThinkPad E16 Gen 2 AMDLenovo ThinkPad E16 Gen 2 AMDLenovo ThinkPad E16 Gen 2 AMD
モデル番号21M6S0KL00 521M5CTO1WW (グラファイトブラック) 1021M5CTO1WW (ブラック) 8
CPUAMD Ryzen™ 5 7535U (6コア/12スレッド, ベース2.9GHz/最大4.55GHz, L2キャッシュ3MB/L3キャッシュ16MB) 3AMD Ryzen™ 7 7735HS (8コア/16スレッド, ベース3.2GHz/最大4.75GHz, L2キャッシュ4MB/L3キャッシュ16MB) 3AMD Ryzen™ 7 7735HS (8コア/16スレッド, ベース3.2GHz/最大4.75GHz, L2キャッシュ4MB/L3キャッシュ16MB) 3
メモリ16GB (1x16GB) DDR5-4800 SODIMM (スロットx2, 空きx1, 最大64GB) 332GB DDR5-4800 SODIMM (PC5-38400) (スロットx2, 空きx0, 最大64GB) 332GB DDR5-4800 SODIMM (PC5-38400) (スロットx2, 空きx0, 最大64GB) 3
ストレージ256GB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4, OPAL2.0対応の場合あり) 3256GB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4) 31TB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4) 3
ディスプレイ16.0型 WUXGA IPS液晶 (1920×1200, 約1,677万色, 16:10, 300nit, 非光沢, ブルーライト軽減, NTSC 45%) 316.0型 WUXGA IPS液晶 (1920×1200, 約1,677万色, 16:10, 300nit, 非光沢, ブルーライト軽減, NTSC 45%) 316.0型 WUXGA IPS液晶 (1920×1200, 約1,677万色, 16:10, 300nit, 非光沢, ブルーライト軽減, NTSC 45%) 3
グラフィックスAMD Radeon™ 660M グラフィックス (CPU内蔵) 3AMD Radeon™ 680M グラフィックス (CPU内蔵) 3AMD Radeon™ 680M グラフィックス (CPU内蔵) 3
オペレーティングシステムWindows 11 Pro (64bit) 日本語版 6Windows 11 Home (64bit) 日本語版 10Windows 11 Home (64bit) 日本語版 8
ポート類USB 3.2 Gen2 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-A x1 (うちPowered USB x1), USB 3.2 Gen1 Type-A x1, HDMI 2.1 (最大 4K@60Hz) x1, RJ-45 (ギガビットイーサネット) x1, マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック x1 3USB 3.2 Gen2 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-A x1 (うちPowered USB x1), USB 3.2 Gen1 Type-A x1, HDMI 2.1 (最大 4K@60Hz) x1, RJ-45 (ギガビットイーサネット) x1, マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック x1 3USB 3.2 Gen2 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-C (Video-out対応) x1, USB 3.2 Gen1 Type-A x1 (うちPowered USB x1), USB 3.2 Gen1 Type-A x1, HDMI 2.1 (最大 4K@60Hz) x1, RJ-45 (ギガビットイーサネット) x1, マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック x1 3
ワイヤレス機能Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) + Bluetooth 5.2 (MediaTek MT7921等) 3Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) + Bluetooth 5.3 3Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) + Bluetooth 5.3 3
WebカメラHD 720p カメラ (プライバシーシャッター付き) 3Webカメラ (プライバシーシャッター付き、解像度はHD 720pまたはFHD 1080pの可能性あり) 3Webカメラ (プライバシーシャッター付き、解像度はHD 720pまたはFHD 1080pの可能性あり) 3
オーディオステレオスピーカー (2W x2) Dolby Atmos®、デジタルマイクロホン (デュアルアレイ、スマートノイズキャンセリング) 3ステレオスピーカー (2W x2) Dolby Atmos® (audio by HARMAN)、デジタルマイクロホン (デュアルアレイ、スマートノイズキャンセリング) 3ステレオスピーカー (2W x2) Dolby Atmos® (audio by HARMAN)、デジタルマイクロホン (デュアルアレイ、スマートノイズキャンセリング) 3
キーボード日本語キーボード (テンキー付き、JIS配列準拠、防滴仕様の可能性あり) 3日本語キーボード (テンキー付き、JIS配列準拠、防滴仕様の可能性あり、バックライトはオプション) 3日本語キーボード (テンキー付き、JIS配列準拠、防滴仕様の可能性あり、バックライトはオプション) 3
セキュリティ機能dTPM 2.0、パワーオンパスワード、スーパーバイザーパスワード、ハードディスクパスワード、プライバシーシャッター付きWebカメラ、ケーブルロックスロット (Kensington Nano Security Slot™) 3。指紋センサーはオプション 3dTPM 2.0、指紋センサー (電源ボタン一体型の場合あり)、プライバシーシャッター付きWebカメラ、ケーブルロックスロット (Kensington Nano Security Slot™) 3dTPM 2.0、指紋センサー (電源ボタン一体型の場合あり)、プライバシーシャッター付きWebカメラ、ケーブルロックスロット (Kensington Nano Security Slot™) 3
バッテリー内蔵リチウムイオンポリマーバッテリー (57Wh) 3。駆動時間(JEITA3.0): 動画再生時 約10.3時間、アイドル時 約18.5時間 (Ryzen 5搭載時目安) 11内蔵リチウムイオンポリマーバッテリー (57Wh) 3。駆動時間(JEITA3.0): 動画再生時 約13.2時間、アイドル時 約24.3時間 (Ryzen 7搭載時目安) 10内蔵リチウムイオンポリマーバッテリー (57Wh) 3。駆動時間(JEITA3.0): 動画再生時 約13.2時間、アイドル時 約24.3時間 (Ryzen 7搭載時目安) 8
ACアダプター65W ACアダプター (USB Type-C、急速充電対応) 365W ACアダプター (USB Type-C、急速充電対応) 365W ACアダプター (USB Type-C、急速充電対応) 3
本体寸法 (W×D×H)約 356.1 x 247.7 x 20.20 mm (アルミニウム天板、PC-ABS底面カバー) 3約 356.1 x 247.7 x 19.85 mm (アルミニウム天板、アルミニウム底面カバー) 3約 356.1 x 247.7 x 19.85 mm (アルミニウム天板、アルミニウム底面カバー) 3
本体質量約 1.78kg~ (バッテリーパックを含む) 3約 1.81kg~ (バッテリーパックを含む) 3約 1.81kg~ (バッテリーパックを含む) 3
カラーブラック 3グラファイトブラック 3ブラック 3
主な付属品ACアダプター、マニュアル類 6ACアダプター、マニュアル類ACアダプター、マニュアル類
保証期間通常1年間 (引き取り修理) 6通常1年間 (引き取り修理)。オプションで延長保証、プレミアサポート等あり 8通常1年間 (引き取り修理)。オプションで延長保証、プレミアサポート等あり 8
価格帯目安¥89,980~¥108,380 5約¥99,880~ 10約¥109,890~ 8
  • 注記:
    1. 上記の仕様は代表的な構成例であり、販売店や選択するオプションによって仕様が異なる場合があります。
    2. Wi-Fiカードの具体的なチップセット(例: MediaTek製、Realtek製)は構成によって異なる場合があります 6
    3. バッテリー駆動時間は構成(CPU、バッテリー容量、ディスプレイ等)や使用状況により変動します。JEITA測定法3.0に基づく値は、特定の条件下での測定値です 11
    4. 最新かつ正確な情報は、Lenovo公式サイトまたは販売店にご確認ください。

Thinkpad E16 Gen2の発売日はいつ?

Thinkpad E16 Gen 2 AMDの発売日に関してですが、複数の日付が確認できます。
例えば、製品仕様書には「2024年4月9日」に特定のモデル(21M5000QJPなど)が発表された記録があります。また、その後も新たな構成のモデルが「2024年12月10日」や「2025年1月15日」、「2025年3月18日」といった日付で製品仕様書に記載されていることから、順次新しいバリエーションが追加されている状況が見て取れます。

このように、Thinkpad E16 Gen 2 AMDは一度に全てのモデルが発売されるというよりは、時期に応じて選択できる構成が更新されたり、追加されたりする傾向にあるようです。したがって、単一の発売日を特定するのは難しいものの、2024年の春頃から市場に登場し始めた製品群であると理解できます。

入手方法については、主にレノボの公式サイトや、認定されたオンラインストア、家電量販店などが挙げられます。公式サイトでは、カスタマイズモデルを選択できる場合があり、より細かく自分のニーズに合わせた構成を選ぶことが可能です。

購入を検討される際には、最新の販売状況や選択可能な構成について、レノボ公式サイトなどで確認することが大切です。販売時期によって提供されるCPUの種類やメモリ、ストレージのオプションが変動する場合があるため、注意が必要です。

E16のGen1とGen2の違いを解説

E16のGen1とGen2の違いを解説
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Thinkpad E16シリーズにおいて、Gen1とGen2 (AMDモデル) の間にはいくつかの重要な違いが存在します。これらの違いを理解することは、どちらのモデルが自身のニーズに適しているかを判断する上で役立ちます。

まず最大の進化点として、搭載されるプロセッサーの世代と性能が挙げられます。
Gen1では主にAMD Ryzen 7030シリーズ(例:Ryzen 5 7530U、Ryzen 7 7730Uなど、Zen 3アーキテクチャベース)が採用されていました。
一方、Gen2 (AMDモデル) では、より新しいAMD Ryzen 7035シリーズ(例:Ryzen 5 7535U/HS、Ryzen 7 7735U/HSなど、Zen 3+アーキテクチャベース)が搭載されています。この変更により、CPUの処理性能だけでなく、内蔵グラフィックスの性能も向上しています。
特にRyzen 7035シリーズに内蔵されるRadeon 660MやRadeon 680Mグラフィックスは、旧世代の内蔵グラフィックスと比較して大幅な性能アップを果たしています。

次にメモリ規格も異なります。Gen1ではDDR4-3200メモリが採用されていましたが、Gen2ではより高速なDDR5-4800メモリへとアップグレードされました。
これにより、データ転送速度が向上し、システム全体の応答性やマルチタスク性能の向上が期待できます。また、Gen2では最大搭載可能メモリ容量も増加している場合があります(例:Gen1 最大40GBに対し、Gen2は最大64GBまで搭載可能な情報あり)。

インターフェース面では、Gen2でUSB 3.2 Gen 2ポートが追加されるなど、より高速なデータ転送に対応したポート構成になっている点も違いの一つです。
ディスプレイのオプションについても、Gen2ではより高解像度(WQXGA)や広色域(sRGB 100%)のパネル選択肢が充実している傾向にあります。

デザインや筐体のサイズ感については、Gen1とGen2で大きな変更はなく、ほぼ同じ筐体が使用されているようです。ただし、内部コンポーネントの変更などにより、質量が若干Gen2の方が重くなっている(約1.77kg~から約1.81kg~へ)といった微細な差異は見られます。

バッテリー駆動時間については、測定基準(JEITA 2.0とJEITA 3.0)が異なるため単純比較は難しいですが、CPUの電力効率改善などにより、実際の利用シーンでの持続時間に変化が見られる可能性があります。

Thinkpad E16 Gen1とGen2 AMD の主要機能の比較

特徴ThinkPad E16 Gen 1 AMDThinkPad E16 Gen 2 AMD
CPUアーキテクチャZen 3 (例: Ryzen 7030シリーズ)Zen 3+ (例: Ryzen 7035シリーズ)
内蔵グラフィックスAMD Radeon Graphics (Vegaベースが主)AMD Radeon 660M / 680M (RDNA 2ベース)
メモリ規格DDR4-3200DDR5-4800
USBポートUSB 3.2 Gen 1 などUSB 3.2 Gen 2ポート追加など、より高速なポート構成の可能性
ディスプレイWUXGA/WQXGA IPS液晶オプションありWUXGA/WQXGA IPS液晶オプション、広色域パネルの選択肢がより豊富な傾向
重量約1.77kg~約1.81kg~
その他機能標準的なThinkPad機能TrackPoint Quick Menu搭載など、ユーザビリティ向上の機能追加

これらの違いを踏まえると、Gen2 (AMDモデル) は、特に処理性能やグラフィック性能、メモリ速度といった点でGen1から着実な進化を遂げているモデルであると言えます。

SSD増設でストレージを強化

SSD増設でストレージを強化
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Thinkpad E16 Gen 2 AMDは、ストレージの拡張性に関しても考慮された設計となっています。多くのノートパソコンでは購入後のストレージ交換のみが可能な場合がありますが、このモデルではSSDの増設という選択肢が提供されている点が魅力です。

具体的には、Thinkpad E16 Gen 2 AMDには、標準で搭載されているM.2 SSDスロットの他に、もう一つ空きのM.2スロットが用意されている場合があります(構成による確認が必要)。これにより、既存のSSDを取り外すことなく、新たにもう一台M.2 SSDを追加し、デュアルSSD構成を構築することが可能です。これは、OSやアプリケーション用のSSDとデータ保存用のSSDを物理的に分けることで、管理のしやすさやパフォーマンスの安定化、あるいは単純な総ストレージ容量の大幅な増加に繋がります。

データベースに記載されているレビューによれば、実際にPCIe Gen4対応の1TB SSDを増設し、システムが正常に認識した例が報告されています。ただし、その際にはSSDの最大性能(例:7300MB/s)に対して、実測値が約3500MB/sで頭打ちになったという情報もありました。これは、マザーボード側のM.2スロットのPCIeレーン数や対応バージョン、あるいはBIOS設定などが影響している可能性が考えられます。それでも、SATA SSDと比較すれば十分に高速であり、実用上の大きな問題にはなりにくいでしょう。

SSDを増設するメリットは明らかで、特に大容量のファイルや多くのアプリケーションを扱うユーザーにとっては、ストレージ不足の懸念を解消できます。また、増設作業自体は、底面カバーを取り外してM.2スロットにSSDを装着するという、比較的標準的な手順で行えます。

ただし、SSDの増設や交換は自己責任で行う必要があり、作業に不慣れな場合はPC本体やパーツを破損するリスクも伴います。また、メーカー保証の対象外となる可能性も考慮しなければなりません。増設を検討する際は、事前に製品のマニュアルで対応するSSDのタイプ(例:Type 2242、Type 2280)や規格(NVMe、SATAなど)をしっかりと確認することが大切です。

メモリ増設によるパフォーマンス向上

メモリ増設によるパフォーマンス向上
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Thinkpad E16 Gen 2 AMDは、メモリの増設や交換が可能な設計となっており、将来的なパフォーマンスアップグレードの余地を残しています。これは、メモリがマザーボードに直接はんだ付けされているオンボード形式ではなく、SO-DIMMスロット形式を採用しているためです。

このモデルにはメモリスロットが2つ用意されており、購入時の構成によっては1スロットのみが使用され、もう1スロットが空いている場合があります。あるいは、2スロット両方にメモリが装着されている構成も選択できます。メモリ規格はDDR5-4800に対応しており、これは従来のDDR4メモリと比較してデータ転送速度が向上しているため、システム全体の応答性向上に寄与します。

メモリ増設の最大のメリットは、マルチタスク性能の向上です。複数のアプリケーションを同時に起動したり、多くのブラウザタブを開いたりする際に、メモリ容量が十分にあれば動作が安定し、快適な作業環境を維持できます。特に、動画編集や大規模なデータ処理、仮想環境の利用など、メモリを大量に消費する作業を行う場合には、16GB以上のメモリ容量が推奨されます。データベースの情報によれば、この機種はユーザーによる増設で最大64GBまで対応可能とされており、ヘビーユーザーの要求にも応えられるポテンシャルを持っています。

また、メモリを2枚装着することでデュアルチャネル動作となり、メモリ帯域幅が実質的に倍増します。これは特にCPU内蔵グラフィックスの性能を引き出す上で効果的であり、AMD RyzenプロセッサーのAPU性能をより活かすことができます。

メモリの増設や交換を行う際には、いくつかの注意点があります。まず、対応するメモリの規格(DDR5 SO-DIMM PC5-38400など)を正確に把握し、適合する製品を選ぶ必要があります。また、異なる容量や速度のメモリを混在させると、システムが不安定になったり、低い方の速度に合わせて動作したりする可能性があるため、可能であれば同じ仕様のメモリを2枚セットで使用することが理想的です。SSD増設と同様に、メモリの増設・交換作業も自己責任となり、メーカー保証の対象外となる場合があることを理解しておく必要があります。

Thinkpad E16 Gen 2 AMD の実力を徹底検証レビュー

Thinkpad E16 Gen 2 AMD の実力を徹底検証レビュー
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  • AMD Ryzen 7 7735HSの性能に迫る
  • 気になるゲーム性能をチェック
  • 動画編集の快適性はどうか
  • 価格com限定モデルの魅力
  • まとめ:Thinkpad E16 Gen 2 AMD レビュー

AMD Ryzen 7 7735HSの性能に迫る

AMD Ryzen 7 7735HSの性能に迫る
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Thinkpad E16 Gen 2 AMDで選択可能なCPUの中でも、特に高性能なのがAMD Ryzen 7 7735HSです。このプロセッサーは「Zen 3+」アーキテクチャを採用し、8コア16スレッドという強力なマルチコア性能を備えています。デフォルトのTDP(熱設計電力)は35-54Wと設定されており、薄型ノートPC向けのUシリーズプロセッサーと比較して、より高い持続性能が期待できます。

Ryzen 7 7735HSの大きな特徴の一つは、内蔵されているグラフィックス「AMD Radeon 680M」です。このGPUはRDNA 2アーキテクチャをベースとしており、12個のGPUコアを搭載しています。これにより、従来の内蔵グラフィックスとは一線を画す描画性能を発揮し、軽めのゲームプレイやクリエイティブな作業支援において優れた能力を示します。

実際の性能についてですが、Ryzen 5 7535HS搭載機のレビュー情報によると、PCの冷却設計や電力設定によってCPUの性能が抑制される傾向が見られるとの事です。
具体的には、本来TDP 35-54WのHSシリーズでありながら、実動作時のCPU電力は「バランス」モードで約20W、「最適なパフォーマンス」モードでも約30W程度に抑えられていたとのことです。このため、Ryzen 7 7735HSを搭載した場合でも、Thinkpad E16 Gen 2 AMDの筐体設計や冷却機構の制約から、プロセッサー本来の最大性能を常に発揮できるとは限らない点に留意が必要です。

それでも、Ryzen 7 7735HSの基本的なポテンシャルは高く、一般的なオフィスワークはもちろん、プログラミング、統計処理、そしてある程度の負荷がかかるマルチメディア作業など、幅広い用途で快適な動作が期待できます。CINEBENCH R23のようなCPUベンチマークテストでは、マルチコアスコアで14000点前後を記録する場合もあり、これは多くの薄型ノートPCを凌駕する数値です。

したがって、Thinkpad E16 Gen 2 AMDでRyzen 7 7735HSを選択することは、高い処理性能を求めるユーザーにとって魅力的な選択肢となります。ただし、前述の通り、PC側の電力・冷却設定によってパフォーマンスに上限が設けられている可能性を理解した上で、自身の用途と照らし合わせて検討することが推奨されます。

気になるゲーム性能をチェック

気になるゲーム性能をチェック
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Thinkpad E16 Gen 2 AMDのゲーム性能についてですが、この製品は元来ビジネス用途を主眼に置いたノートパソコンであり、専用のゲーミングPCとは位置づけが異なります。しかし、搭載されているAMD Ryzenプロセッサーの内蔵グラフィックス、特に上位モデルのRyzen 7 7735HSに統合されたRadeon 680Mは、従来の内蔵GPUと比較して大幅に性能が向上しているため、ある程度のゲームであればプレイ可能な場合があります。

Ryzen 5 7535HS(Radeon 660M内蔵)搭載機での3DMark Night Raid(グラフィックススコア)は「最適なパフォーマンス」モードで20000点強、「バランス」モードで17000点程度との情報があり、Radeon 680Mはこれよりもさらに高いスコアが期待でき、おおむね28000点前後に達することもあり得ると判断できます。
このスコアは、一昔前のエントリークラスの専用グラフィックボードに匹敵するレベルです。

具体的なゲームの動作としては、リーグ・オブ・レジェンド、VALORANT、マインクラフトといった比較的負荷の軽いeスポーツタイトルやインディーゲームであれば、画質設定を調整することで快適にプレイできる可能性が高いでしょう。また、少し前の世代の3Dゲームなども、解像度をHD(1280×720)程度に落としたり、グラフィック設定を低めにしたりすることで、ある程度遊べるかもしれません。

一方で、サイバーパンク2077やエルデンリングのような最新の高負荷なAAAタイトルのプレイは難しいと考えられます。これらのゲームを快適に楽しむためには、GeForce RTXシリーズなどの専用GPUを搭載したゲーミングノートPCが必要となります。

Thinkpad E16 Gen 2 AMDでゲームをプレイする際の注意点としては、長時間のプレイによる発熱や、それに伴うパフォーマンス低下の可能性が挙げられます。ビジネスノートPCの冷却システムは、必ずしも持続的な高負荷状態を想定して設計されているわけではないため、この点は留意しておくべきです。

Thinkpad E16 Gen 2 AMDは本格的なゲーミングマシンではありませんが、息抜きに軽めのゲームを楽しんだり、グラフィック設定を工夫して少し前のタイトルを遊んだりする程度の用途であれば、期待以上の性能を発揮してくれるかもしれません。

動画編集の快適性はどうか

動画編集の快適性はどうか
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Thinkpad E16 Gen 2 AMDにおける動画編集の快適性については、編集する動画の内容や使用するソフトウェア、そして選択するCPUのグレードによって評価が変わってきます。

まず、搭載CPUの性能、特にRyzen 5 7535HSやRyzen 7 7735HSといったHSシリーズを選択した場合、CPU処理能力自体はFHD(1920×1080)解像度程度の動画編集であれば、ある程度対応可能です。これらのCPUはマルチコア性能が高く、エンコード(書き出し)時間やプレビュー時の処理に貢献します。内蔵グラフィックスであるRadeon 660M(Ryzen 5 HS)やRadeon 680M(Ryzen 7 HS)も、動画編集ソフトのハードウェアアクセラレーション機能を利用することで、再生支援や一部エフェクト処理の高速化に役立ちます。

レビュー情報によると、Ryzen 5 7535HS搭載機でAdobe Premiere Proを使用して約10分のFHD/30p動画(テキスト、露光量、自然な彩度、トランジション、BGM追加)を書き出した際の時間は3分24秒との事でした。
これは、専用GPU非搭載のノートPCとしては標準的な速度であり、待てないほど遅いというわけではありません。さらに、Ryzen 5 7535U搭載機でも、メモリを32GBに増設した環境では、YouTube用の10分程度の動画編集がサクサク行え、5分25秒の動画のレンダリング時間が1分39秒だったという報告もあり、期待以上に快適に作業できたようです。

ただし、4K解像度の動画編集や、多くのエフェクトを重ねる複雑な編集、カラーグレーディングを本格的に行うといった高負荷な作業になると、処理のもたつきやプレビューのカクつき、そして非常に長い書き出し時間が発生する可能性が高まります。特に、専用のビデオメモリ(VRAM)を持たない内蔵グラフィックスでは、高解像度素材の扱いやGPU負荷の高い処理には限界があります。

快適な動画編集のためには、CPU性能だけでなく、メモリ容量も重要です。最低でも16GB、できれば32GBのメモリを搭載することで、複数のアプリケーションを同時に利用しながらの編集作業もスムーズに行いやすくなります。また、高速なNVMe SSDは、素材の読み込みやプロジェクトファイルの保存、キャッシュの作成といった場面で作業効率を向上させます。

まとめると、Thinkpad E16 Gen 2 AMDは、FHD解像度を中心とした比較的軽度な動画編集であれば、特にRyzen 7 7735HSのような上位CPUと十分なメモリを組み合わせることで、趣味の範囲や簡単な業務用途には対応できる可能性があります。
しかし、プロフェッショナルな動画編集や高負荷な作業を主目的とする場合は、専用GPUを搭載したワークステーションや高性能なクリエイター向けノートPCを検討する方が賢明でしょう。

価格com限定モデルの魅力

Thinkpad E16 Gen 2 AMDの購入を検討する際、価格.comなどの比較サイトで見られる「限定モデル」は、時に非常に魅力的な選択肢となることがあります。
これらのモデルは、レノボ公式サイトの標準構成やカスタマイズモデルとは異なる特定のスペック構成で提供され、多くの場合、コストパフォーマンスに優れた内容となっていることが特徴です。

価格.com限定モデルの具体的な魅力としては、まず、特定の高性能パーツを組み合わせた構成が、通常よりも割安な価格で提供される場合がある点が挙げられます。例えば、データベースの情報によれば、「Ryzen 7 7735HS・32GBメモリー・1TB SSD・16型WUXGA液晶搭載 プレミアム」といった、通常であれば高価になりがちなハイスペック構成が、限定モデルとして比較的購入しやすい価格で登場することがあります。これは、特定のパーツ構成を大量に用意することでコストを抑え、消費者に還元するという販売戦略によるものと考えられます。

また、限定モデルは、市場のニーズやトレンドを反映した人気の高い構成で提供されることが多いです。例えば、十分なメモリ容量と大容量SSD、そして高性能なCPUをバランス良く搭載したモデルは、多くのユーザーにとって魅力的に映るでしょう。自分で細かくカスタマイズする手間を省きつつ、おすすめの構成を手に入れたいと考えるユーザーにとっては、非常に便利な選択肢となります。

ただし、価格.com限定モデルにはいくつかの注意点も存在します。第一に、これらのモデルは常に提供されているわけではなく、期間限定であったり、在庫限りであったりすることが多いです。そのため、魅力的なモデルを見つけても、検討している間に販売が終了してしまう可能性も考慮しなければなりません。

第二に、限定モデルは基本的に構成が固定されているため、自分にとって不要なスペックが含まれていたり、逆に欲しいオプションが選択できなかったりする場合もあります。例えば、特定のディスプレイ解像度やキーボードバックライトの有無など、細部までこだわりたいユーザーにとっては、公式サイトでのカスタマイズの方が適しているかもしれません。

価格.com限定モデルを検討する際は、まずその構成内容が自分の用途や予算に合致しているかをしっかりと確認することが大切です。そして、公式サイトの同等スペック構成と比較し、価格的なメリットが実際にあるのかを見極めることが推奨されます。魅力的な限定モデルを見つけた場合は、早めの判断が求められることもあるでしょう。

Thinkpad E16 Gen 2 AMDのレビュー総括

Thinkpad E16 Gen 2 AMDは、その堅実な作りと用途に応じた柔軟なカスタマイズ性、そして優れたコストパフォーマンスで注目されるノートパソコンです。
今回のレビューを通して明らかになった重要なポイントを以下にまとめます。

  • Thinkpad E16 Gen 2 AMDはコストパフォーマンスに優れたビジネスノート
  • AMD Ryzen 3からRyzen 7 HSシリーズまで幅広いCPU選択肢を提供
  • メモリはDDR5に対応しユーザーによる増設や交換が可能
  • SSDも増設可能なM.2スロットがあり拡張性が高い
  • 16型16:10ディスプレイは作業領域が広く視認性に優れる
  • オプションでWQXGA (2560×1600) 100% sRGBの高精細液晶も選択可能
  • 伝統のThinkPadキーボードはテンキー付きでタイピングしやすい
  • Gen1モデルと比較してCPU性能および内蔵グラフィックス性能が向上
  • Ryzen 7035シリーズ搭載により最新の処理能力を実現
  • Radeon 660M/680M内蔵グラフィックスは軽作業や動画再生支援に貢献
  • HSシリーズCPU搭載時も電力設定はやや控えめな傾向
  • 軽めのゲームであれば設定次第でプレイ可能
  • FHD解像度での動画編集は実用範囲内
  • SDカードスロット非搭載は一部ユーザーにとって注意点
  • 価格com限定モデルでは高スペック構成が割安に入手できる場合がある
  • ビジネス用途からライトなクリエイティブ作業まで対応する汎用性
  • ThinkPadならではの堅牢性と信頼性を備える
  • 購入時は自身の用途に合わせたスペック構成と価格の比較検討が肝心