2025年に登場した「ThinkPad X13 Gen 6 Intel版」は、1kgを切る驚異的な軽さと最新のAI対応CPUを搭載し、多くのビジネスパーソンの注目を集めています。
その一方で、実際の使い勝手や性能について、購入を検討している方は多くの疑問を抱いているのではないでしょうか。
本モデルの具体的な仕様や詳細なスペック、実際に使ったユーザーのレビューや価格帯について、詳しく知りたいと考えているはずです。
また、携帯性に直結するサイズや重さ、外出先での作業時間を左右するバッテリー性能も重要な判断材料となります。
さらに、将来的なアップグレードの可能性としてSSD交換やメモリ交換は可能なのか、購入してから後悔しないための注意点や留意事項はないのか、といった実践的な情報も求められています。
この記事では、そうした疑問や不安を解消するため、ThinkPad X13 Gen 6 Intel版に関するあらゆる情報を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。
ThinkPad X13 Gen 6 Intel版の基本情報を解説
- 主要な仕様とスペックをチェック
- 発売日と気になる価格帯
- 持ち運びやすいサイズと驚きの軽さ
- バッテリー駆動時間と交換について
主要な仕様とスペックをチェック

ThinkPad X13 Gen 6 Intel版は、用途や予算に応じて多彩なカスタマイズが可能ですが、ここでは主要な項目をまとめた仕様表を紹介します。
項目 | 仕様(選択肢) |
---|---|
発売日 | 2025年4月15日(国内発売開始) |
製品名 | ThinkPad X13 Gen 6 (インテル® Core™ Ultra プロセッサー搭載モデル) |
オペレーティングシステム | Windows 11 Pro 64bit (日本語版) (その他のエディション選択可能) |
プロセッサー | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255H, インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225H, インテル® Core™ Ultra 7 vPro® Enterprise プロセッサー 265U, インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255U, インテル® Core™ Ultra 5 vPro® Enterprise プロセッサー 235U, インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225U |
Copilot+ PC 対応 | 非対応 |
メモリ | オンボード: 16GB/32GB (LPDDR5x, 最大32GB、増設不可) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD (M.2 PCIe NVMe Gen4) |
ディスプレイ | 13.3型 WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200, 16:10), 光沢なし, ブルーライト軽減 (オプション: マルチタッチ対応(10点) ) |
グラフィックス | CPU内蔵 (インテル® Arc™ グラフィックス または インテル® グラフィックス) / NPU: インテル® AI Boost(最大 13TOPS) |
オーディオ機能 | Dolby Atmos®, Dolby Voice® |
Webカメラ | 5MP+IR Webカメラ または 5MP Webカメラ (全モデルプライバシーシャッター付き) |
ポインティングデバイス | TrackPoint + 3ボタンクリックパッド |
指紋センサー | 選択可能 |
ワイヤレスLAN | Wi-Fi 7対応 (IEEE802.11be/ax/ac/a/b/g/n準拠) |
ワイヤレスWAN | オプション: 4G LTE / 5G Sub6 対応 |
Bluetooth | 搭載 (Bluetooth v5.3相当以上を想定) |
インターフェース | Thunderbolt 4 (USB4対応) x2, USB 3.2 Gen 1 (Powered USB) x1, HDMI x1, マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック x1 (オプション: スマートカードリーダー ) (nanoSIMカードスロット (WWAN搭載モデルのみ) ) (ケーブルロックスロット (2.5 x 6mm) ) |
本体寸法 (幅×奥行き×高さ) | 約 299.3 x 207 x 9.85(前端) – 12.95(後端) – 17.75(最厚部) mm |
本体重量 | 約933g(41Whバッテリー搭載時)~ (構成により異なる) |
バッテリー | 54.7Whr または 41Whr リチウムイオンポリマーバッテリー (ユーザー交換可能) |
バッテリー駆動時間 (JEITA測定法3.0) | 最大 動画再生時 約12.9時間・アイドル時 約27.7時間 (54.7Whrバッテリー搭載時、構成により変動) |
本体カラー | ブラック |
価格帯 | 約163,240円 ~ 約248,820円 (標準的な構成、カスタマイズにより変動) |
この表からも分かるように、最新世代のCPUや高速なメモリを搭載し、ビジネスモバイルとして非常に高い基本性能を備えています。特に、CPUの選択肢が豊富である点や、最新の無線通信規格に対応している点は、パフォーマンスと将来性を見据える上で注目すべきポイントと考えられます。
※データ参照サイト
- https://kakaku.com/item/K0001687314/
- https://techblog-lenovo.com/2025/03/18/thinkpad-x13-gen-6/
- https://news.kakaku.com/prdnews/cd=pc/ctcd=0020/id=149096/
- https://www.lenovojp.com/business/product/note/pdf/ThinkPad_X13_Gen6_200UH.pdf
- https://www.lenovojp.com/business/distymodel/21LVS6MU00.html
- https://note.com/lenovojapan/n/ne316c1c754b1
- https://aolp.jp/lenovo/lenovo-thinkpad-x13-gen-6/
- https://note.com/9nc/n/nf70896d144df
- https://gaming-pc-labo.com/thinkpad-x13-gen5-review/
発売日と気になる価格帯
ThinkPad X13 Gen 6 Intel版の日本国内での発売日は、2025年4月15日から順次開始されています。ただし、選択する構成によっては、注文から手元に届くまでの納期が変動する可能性があります。
価格については、構成によって大きく異なりますが、最小構成に近いモデルでおおよそ16万円台からとなっています。例えば、Core Ultra 5プロセッサー、16GBメモリ、256GB SSDといった構成では約16万3,000円(税込)が一つの目安となります。
一方で、Core Ultra 7プロセッサー、32GBメモリ、1TB SSDといった上位の構成を選択した場合は、価格が25万円近くになることも想定されます。このように、予算と必要とするスペックのバランスを慎重に検討することが、購入計画を立てる上での鍵となります。
持ち運びやすいサイズと驚きの軽さ

本モデル最大の特長は、その卓越した携帯性にあります。最小構成時の重量は公称で約933gと、ついに1kgの壁を破る軽さを実現しました。これは、前世代機と比較しても約190g近い大幅な軽量化であり、日常的にPCを持ち運ぶユーザーの負担を劇的に軽減します。
この軽さを実現するために、筐体には先進的な素材が採用されています。天板には植物由来原料を含むカーボンファイバー、キーボード面には再生マグネシウム合金、底面には再生アルミニウムを使用するなど、軽量化と環境配慮を両立させている点も特徴です。
ただ軽いだけでなく、ThinkPadの伝統である堅牢性も維持しています。米国国防総省が定める耐久基準「MIL-STD-810H」に準拠したテストをクリアしており、落下や衝撃、極端な温度変化にも耐えうる設計です。日々の通勤・通学から出張まで、様々なシーンで安心して活用できる強靭さを備えています。
バッテリー駆動時間と交換について
モバイルPCの生命線であるバッテリー性能も注目すべき点です。ThinkPad X13 Gen 6 Intel版では、2種類の容量のバッテリーから選択できます。
一つは、最軽量構成を実現するための41Whバッテリーです。携帯性を何よりも優先するユーザーにはこちらが適しています。もう一つは、より長時間の駆動を可能にする54.7Whの大容量バッテリーです。こちらを搭載した場合、JEITA測定法3.0に基づく動画再生時で最大約12.9時間、アイドル時で最大約27.7時間という駆動時間を誇ります。ただし、大容量バッテリーを選択すると本体重量は若干増加するため、軽さと駆動時間のどちらを重視するか、自身の利用スタイルに合わせて選択する必要があります。
そして、本モデルの特筆すべき点は、これらのバッテリーがユーザー自身で交換可能な「CRU(Customer Replaceable Unit)」として設計されていることです。多くの薄型ノートPCでバッテリー交換が困難な中、この仕様は製品を長く使い続ける上で大きなメリットとなります。将来的にバッテリーが劣化した際にも、サービスに預けることなく自身で交換できるため、運用コストの削減とサステナビリティに貢献します。
ThinkPad X13 Gen 6 Intel版の特徴
- AI対応CPUの性能をレビュー
- 高画質なWebカメラとマイク
- 使いやすいキーボードとポート類
- SSD交換はユーザー自身で可能か
- メモリ交換はできないので要注意
- 購入前の注意点と留意事項まとめ
AI対応CPUの性能をレビュー

ThinkPad X13 Gen 6 Intel版の心臓部には、最新世代の「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」が搭載されています。このCPUの最大の特徴は、AI処理に特化した「NPU(Neural Processing Unit)」を内蔵している点です。
これまでのPCでは、AIを利用した機能の多くがクラウドサーバー上で処理されていました。しかし、NPUを搭載したことで、PC本体(オンデバイス)でAIタスクを高速かつ低消費電力で実行できるようになります。例えば、Web会議中の背景ぼかしやノイズ除去、カメラ目線を自動補正するといった機能が、よりスムーズに、そしてインターネット接続に依存せず動作します。これにより、応答性の向上やプライバシー保護の観点でもメリットが生まれます。
ただし、一点留意すべきことがあります。それは、本機がマイクロソフトの提唱する「Copilot+ PC」の認定を受けていないという事実です。Copilot+ PCは、OSレベルで統合された高度なAI機能を利用するために、NPUに40TOPS以上の性能を要求します。本機に搭載されるNPUの性能はこの基準に達していないため、Recall機能など一部の最新Windows AI機能は利用できません。一般的なビジネス用途でのAI支援機能は快適に動作しますが、最先端のOS統合AI機能をフル活用したい場合は、この点を理解しておく必要があります。
高画質なWebカメラとマイク
ハイブリッドワークが当たり前になった現代において、Web会議の品質は業務効率を左右します。ThinkPad X13 Gen 6は、この要求に応えるべく、コミュニケーション機能を大幅に強化しました。
ディスプレイ上部には「コミュニケーションバー」と呼ばれるエリアが設けられ、ここに500万画素の高画質Webカメラが搭載されています。これは、一般的なノートPCに搭載されるHD(約92万画素)やフルHD(約207万画素)のカメラを大幅に上回る解像度であり、相手に非常にクリアで精細な映像を届けることが可能です。
また、オプションでIR(赤外線)カメラを追加すれば、Windows Helloによる顔認証ログインに対応し、パスワード入力の手間なく安全かつ迅速にサインインできます。全てのカメラには物理的なスライド式の「プライバシーシャッター」が標準で備わっており、意図しない映り込みを確実に防げる点も安心です。
音声に関しても、Dolby Voice対応の360度デュアルアレイマイクを搭載しており、周囲のノイズを抑えつつ、どの方向からの声もクリアに拾います。これらの優れた映像・音声機能により、場所を選ばず快適なオンラインコミュニケーションが実現します。
使いやすいキーボードとポート類

ThinkPadが長年にわたり高い評価を受け続ける理由の一つに、その卓越したキーボードの打鍵感が挙げられます。本モデルでもその伝統は受け継がれており、十分なキーストロークと心地よいクリック感で、長時間のタイピングでも疲れにくい快適な入力環境を提供します。
また、ThinkPadの象徴である赤い「TrackPoint」も健在で、キーボードから手を離すことなく、直感的なポインティング操作が可能です。さらに、TrackPointを素早くダブルタップすることで、カメラやマイクの設定を呼び出せるクイックメニュー機能が追加され、利便性が向上しています。
接続性においても、薄型軽量ボディながら妥協はありません。最大40Gbpsの高速データ転送や映像出力、本体充電に対応するThunderbolt 4 (USB Type-C)ポートを2基搭載。これに加えて、従来のUSBメモリやマウスなどを接続できるUSB Type-Aポートや、プロジェクターへの出力に便利なHDMIポートも備えています。このため、外出先で変換アダプターがなくて困る、といった事態を減らすことができます。
SSD交換はユーザー自身で可能か
ストレージの拡張性に関して、ThinkPad X13 Gen 6 Intel版のSSDはユーザーによる交換が可能な設計になっています。これは、長期的にPCを使用する上で非常に大きな利点です。
購入時には予算の都合で256GBや512GBのモデルを選んだとしても、将来的にデータ容量が不足してきた際に、市販の1TBや2TBといった大容量のNVMe SSDに換装することができます。これにより、PC本体を買い替えることなく、ストレージ性能をリフレッシュさせることが可能です。
交換作業にはPCの分解が伴いますが、保守マニュアル等も提供されるため、手順に従えば比較的容易に行えます。このように、将来のアップグレードパスが確保されている点は、PCを長く、そして柔軟に活用したいと考えるユーザーにとって安心材料となるでしょう。
メモリ交換はできないので要注意
ThinkPad X13 Gen 6 Intel版を検討する上で、最も重要な注意点の一つがメモリの仕様です。本モデルのメモリは、マザーボードに直接はんだ付けされている「オンボード」形式のため、購入後にユーザー自身で増設したり、交換したりすることは一切できません。
これは、薄型軽量化を実現するための設計上の選択であり、近年のウルトラポータブルPCでは一般的な仕様です。しかし、この仕様は購入時の構成選択が非常に重要であることを意味します。
現在は16GBで十分だと感じていても、将来的に使用するソフトウェアがより多くのメモリを要求するようになる可能性は否定できません。もしメモリ不足に陥った場合、PC全体の動作が遅くなり、快適な作業環境を維持できなくなる恐れがあります。そのため、自身の現在の用途だけでなく、3~5年後といった将来的な利用シーンも見据えた上で、余裕を持ったメモリ容量(可能であれば32GB)を選択することが、長期的に見て賢明な判断と考えられます。
購入前の注意点と留意事項まとめ
これまで述べてきた点以外にも、購入を決定する前に知っておくべき注意点や留意事項がいくつか存在します。
高価格帯であること
本機は高性能なモバイルPCであるため、価格設定は比較的高めです。
最小構成でも16万円台からと、個人向けノートPCとしては高額な部類に入ります。予算に限りがある場合は、本当に必要なスペックを見極め、オーバースペックによる無駄な出費を避けることが大切です。
ディスプレイ解像度の選択肢
ディスプレイは、1920×1200のWUXGA解像度のみで、有機ELパネルや4K相当の高精細パネルは選択できません。グラフィックデザインや高画質な写真編集など、より高い解像度や広色域を求める専門的な用途には、物足りなさを感じる可能性があります。
もっとも、13.3型という画面サイズでは、WUXGAでも十分に高精細で作業効率も高いとの評価もあります。
有線LANポートが非搭載
薄型化のため、本体にはRJ45形式の有線LANポートが搭載されていません。
オフィスなどで安定した有線ネットワーク接続が必須の環境では、USBポートに接続するタイプの有線LANアダプターを別途用意する必要があります。
この留意点は、本機の欠点というよりも製品のコンセプト上でのトレードオフと捉えるべきでしょう。
自身の使い方や作業環境と照らし合わせ、これらの点が許容範囲内であるかを確認することが、購入後の満足度につながります。
総評:ThinkPad X13 Gen 6 Intel版
この記事で解説してきたThinkPad X13 Gen 6 Intel版の重要なポイントを、以下にまとめます。