2025年3月に登場したXiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proは、多くの選択肢があるタブレット型デバイスの中でひときわ注目を集めています。しかしながら、両機のスペック表をただ眺めるだけでは、どちらが自分の使い方に合っているのかを判断するのは難しいかもしれません。
この記事では、Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proの比較を行い、性能の根本的な違いを徹底的に解説します。
ゲームを快適に楽しむための性能差から、イラスト制作やメモ書きに役立つ純正ペンであるフォーカスペン、そしてPCのように使える専用キーボードの使い勝手まで、あらゆる角度から調査しました。
さらに、サードパーティ製のカバーやケースの選び方、注意点のあるグローバル版の購入に関する情報も網羅しています。
この記事を最後まで読めば、それぞれのモデルの長所と短所が明確になり、あなたにとって最適な推奨ユーザー像が見えてくるはずです。後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてください。
Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proの基本性能を徹底比較

- 両モデルのスペックを一覧で確認
- 詳細な比較で見えるPad 7とPad 7 Proの違い
- 1ランク上の使用感につながる魅力を解説
- ゲーム用途でのパフォーマンスを比較
- 注意点も解説!グローバル版の購入は?
両モデルのスペックを一覧で確認
Xiaomi Pad 7とPad 7 Pro、この2つのモデルを選ぶ上で、まずは客観的なスペックの違いを把握することが全ての基本となります。一見すると似ている両者ですが、細かく見ていくと、Xiaomiがどのような意図で差別化を図っているのかが明確になります。
以下の比較表は、両モデルの重要な仕様をまとめたものです。特にプロセッサー(SoC)、カメラ性能、充電速度、そして日々の使い勝手に直結する生体認証の有無が、両者を分かつ大きなポイントであることが分かります。
表1: Xiaomi Pad 7 vs. Xiaomi Pad 7 Pro – 詳細仕様比較
仕様項目 | Xiaomi Pad 7 | Xiaomi Pad 7 Pro |
---|---|---|
発売日 | 日本:2025年3月13日 4 | 日本:2025年3月13日 4 |
OS | Xiaomi HyperOS 2 6 | Xiaomi HyperOS 2 9 |
SoC (チップセット) | Snapdragon 7+ Gen 3 Mobile Platform (4nm) 4 | Snapdragon 8s Gen 3 Mobile Platform (4nm) 4 |
メモリ (RAM) | 8GB / 12GB (LPDDR5X) 7 | 8GB / 12GB (LPDDR5X) 14 |
ストレージ (ROM) | 128GB (UFS 3.1) / 256GB (UFS 4.0) 7 | 128GB (UFS 3.1) / 256GB (UFS4.0) / 512GB (UFS 4.0) 5 |
ディスプレイ | 11.2インチ IPS LCD 16 | 11.2インチ IPS LCD 10 |
解像度・アスペクト比 | 3200 x 2136 (3.2K), 345 PPI, 3:2 16 | 3200 x 2136 (3.2K), 345 PPI, 3:2 10 |
リフレッシュレート | 最大144Hz 16 | 最大144Hz (AdaptiveSync) 10 |
最大輝度 | 800 nits 16 | 800 nits 10 |
本体サイズ | 251.2 x 173.4 x 6.18 mm 6 | 251.2 x 173.4 x 6.18 mm 6 |
重量 | 500g 6 | 500g 6 |
背面カメラ | 13MP (f/2.2) 16 | 50MP (f/1.8, JN1センサー) 5 |
前面カメラ | 8MP (f/2.2) 16 | 32MP (f/2.2) 5 |
バッテリー容量 | 8850mAh (typ) 16 | 8850mAh (typ) 5 |
充電仕様 | 45W 有線急速充電 16 | 67W 有線急速充電 (HyperCharge) 10 |
スピーカー | クアッドスピーカー (4基), Dolby Atmos 6 | クアッドスピーカー (4基), Dolby Atmos 10 |
生体認証 | 顔認証のみ 4 | 側面指紋認証, 顔認証 4 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E / 6 16 | Wi-Fi 7 / 6E / 6 14 |
Bluetooth | 5.4 7 | 5.4 14 |
USBポート | USB Type-C 3.2 Gen 1 (最大5Gbps) 7 | USB Type-C 3.2 Gen 1 (最大5Gbps) 10 |
外部ストレージ | 非対応 (microSDカードスロットなし) 16 | 非対応 (microSDカードスロットなし) 16 |
その他 | IRリモコン 7 | IRリモコン 9 |
本体カラー | グレー, ブルー, グリーン 16 | グレー, ブルー, グリーン 5 |
特殊モデル | なし | Matte Glass Version (グレーのみ) 5 |
グローバル版 | 日本版とハードウェアはほぼ共通。ただし、保証やサポート、プリインストールアプリ、ACアダプタの仕様が異なる可能性がある。使用には技適マークの有無の確認が必須。 | 日本版とハードウェアはほぼ共通。グローバル版(25069PTEBG)は技適取得済みとの情報も存在 1。ただし、保証やサポート、プリインストールアプリ、ACアダプタの仕様が異なる可能性がある。 |
価格帯(標準的な価格の幅) | 8GB+128GB: 54,980円 (公式) / 実売 47,000円台~ 6 | 8GB+128GB: 67,980円 (公式) / 実売 53,000円台~ 2 |
このように、ディスプレイやバッテリー容量といった基本的な要素は共通化しつつ、Proモデルはより高いパフォーマンスと利便性を求めるユーザーに向けた仕様となっていることが読み取れます。
詳細な比較で見えるPad 7とPad 7 Proの違い

ここではスペック表の数字だけでは伝わりにくい、実際の使用感に影響する違いを掘り下げていきます。
Xiaomi Pad 7 Proの「Pro」たる所以は、単なる性能向上だけでなく、日々の使い心地、いわゆる「Quality of Life」を高めるための機能に集約されています。
SoC(頭脳)の性能差
Xiaomi Pad 7は「Snapdragon 7+ Gen 3」を、Pad 7 Proは「Snapdragon 8s Gen 3」を搭載しています。
AnTuTuベンチマークスコアで見ると、Pad 7が約1.34M台なのに対し、Proは約1.55-1.60M台と、Proの方が約15%高い性能を持ちます。
日常的なブラウジングや動画視聴ではこの差を体感する場面は少ないですが、高画質な動画編集や、後述する高負荷なゲームを最高設定でプレイする際には、Proの優位性が明確になるでしょう。
生体認証:日々の利便性を左右する最大の分岐点
両モデルの最も大きな違いが、生体認証の方法です。
Pad 7が顔認証のみであるのに対し、Pad 7 Proは電源ボタン一体型の側面指紋認証と顔認証の両方に対応しています。
マスク着用時や就寝前の暗い部屋、デスクに置いたままロックを解除したい場面など、顔認証が不得意とする状況は意外と多いものです。
そうした場面でパスコードを入力する手間から解放される指紋認証の存在は、Proモデルが提供する最も価値のある「快適性」と言えるかもしれません。
充電速度とカメラ性能
Pad 7 Proは、より高速な67Wの急速充電に対応しており、Pad 7の45Wよりも充電時間を短縮できます。
バッテリー容量は同じ8850mAhなので、使用頻度が高く、少しでも充電のダウンタイムを減らしたいユーザーには大きなメリットとなります。
また、カメラ性能も大幅に強化されており、Proは背面50MP、前面32MPの高性能カメラを搭載します。
これにより、ビデオ会議で自分の顔をより鮮明に映したり、外出先で高画質な写真を撮影したり、書類を高精細にスキャンしたりと、タブレットのカメラを活用する機会が多いユーザーの期待に応えます。
1ランク上の使用感につながる魅力を解説

両モデルに共通する部分にも、多くの魅力が詰まっています。
特にディスプレイとオーディオ体験は、この価格帯のタブレットとしては突出したクオリティを誇ります。
価格の常識を超えるディスプレイ品質
Xiaomi Pad 7シリーズの最大の魅力は、上位モデルと下位モデルで差がつけられていない、11.2インチの3.2K(3200 x 2136)高精細ディスプレイです。最大144Hzのリフレッシュレートに対応しており、WebサイトのスクロールやUIのアニメーションが驚くほど滑らかに表示されます。電子書籍のテキストもくっきりと読みやすく、映像コンテンツのディテールも忠実に再現する、非常に満足度の高いディスプレイです。
迫力のサウンド体験
音質面では、Dolby Atmos対応のクアッドスピーカー(4基)が、タブレット単体とは思えない立体的で迫力のあるサウンドを生み出します。動画鑑賞や音楽、ゲームといったエンターテインメント体験の質を大きく向上させてくれる要素です。
質感の高いデザインとOS
本体は薄型軽量の金属ユニボディで、安っぽさを感じさせない高級感があります。
OSにはAndroid 15をベースとした最新の「Xiaomi HyperOS 2」を搭載しており、シンプルで直感的な操作が可能です。
複数のアプリを同時に表示するウィンドウ分割や、ノートPCのように使える「Workstation Mode」など、生産性を高める機能も充実しています。
ゲーム用途でのパフォーマンスを比較

タブレットをゲーム機として活用したいと考えているユーザーにとって、パフォーマンスの差は重要な選択基準になります。
Xiaomi Pad 7でも『原神』のような負荷の高い3Dゲームを高画質設定でプレイすることは可能とのレビュー記事があります。Snapdragon 7+ Gen 3はミドルハイレンジのSoCでありながら、数世代前のハイエンドチップに匹敵する性能を持っているため、ほとんどのユーザーにとっては十分すぎるパフォーマンスを発揮します。
一方で、Xiaomi Pad 7 Proは、最高のグラフィック設定で一切の妥協なくプレイしたいヘビーゲーマーにとって最適な選択肢となります。より高性能なSnapdragon 8s Gen 3により、フレームレートが安定し、より滑らかで没入感の高いゲーム体験が可能です。
どちらのモデルも144Hzの高リフレッシュレートディスプレイを搭載しているため、対応するゲームでは非常に滑らかな映像を楽しめます。ただし、ゲーム側が144Hzに対応している必要がある点は留意しておく必要があります。
注意点も解説!グローバル版の購入は?
海外の通販サイトなどで、日本国内版よりも安価な「グローバル版」を見かけることがあります。しかし、価格の魅力だけで安易に手を出すことには注意が必要です。基本的には、安心して利用できる日本国内正規品の購入を強く推奨します。
その理由は、主に「技適」と「保証」の問題にあります。
技適(技術基準適合証明)
日本国内で電波を発する通信機器を使用するには、技適マークの表示が法律で義務付けられています。技適マークのない機器を恒常的に使用すると、電波法に抵触するリスクがあります。グローバル版にはこのマークがない場合があり、たとえハードウェアが同じでも、安心して使用できるとは限りません。
保証とサポート
グローバル版は、当然ながら日本の正規代理店による保証や修理サポートの対象外です。万が一の故障時に、修理が受けられない、あるいは高額な費用がかかる可能性があります。また、付属のACアダプタが日本のコンセント形状と異なる場合があるなど、細かな不便も考えられます。
これらのリスクを理解し、すべて自己責任で対応できる上級者以外は、国内正規品を選ぶのが賢明な判断と言えます。
Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proの周辺機器と選び方
- 描画やメモに必須の「フォーカスペン」
- PC化できる純正キーボードは買うべきか
- おすすめのサードパーティ製カバー・ケース
- あなたに合うのはどっち?推奨ユーザー像
- まとめ:Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proを選ぶ際のポイント
描画やメモに必須の「フォーカスペン」

Xiaomi Pad 7シリーズのポテンシャルを最大限に引き出すのが、別売りの純正スタイラスペン「Xiaomi Focus Pen」です。このペンは単なるアクセサリーではなく、タブレットを学習やクリエイティブ活動のための強力なツールへと進化させます。
Focus Penの大きな特徴は、8192段階というプロのペンタブレットに匹敵する超高精度な筆圧検知機能です。これにより、線の太さや濃淡を意のままに表現でき、まるで紙に鉛筆で描くような自然な描き心地を実現します。さらに、240Hzの高速タッチサンプリングレートが遅延を極限まで抑え、思考や手の動きに遅れることなく線が追従します。
また、ペンには3つの物理ボタンが搭載されており、作業効率を劇的に向上させます。
- スポットライトボタン: プレゼン中に、ペン先の周りだけを明るく照らして注目させることができます。
- スクリーンショットボタン: ワンタップで画面全体をキャプチャし、会議中の資料保存やメモに役立ちます。
- 書き込みボタン: 専用のノートアプリを瞬時に起動し、アイデアが浮かんだ瞬間に書き留めることが可能です。
もちろん、画面に手のひらを置いたままでも誤動作しないパームリジェクション機能にも対応しています。イラスト制作や講義のノート取りなど、タブレットを多目的に活用したいユーザーにとって、Focus Penは必須のアイテムと言えるでしょう。
PC化できる純正キーボードは買うべきか

Xiaomi Pad 7シリーズには、用途に合わせて選べる2種類の純正キーボードが用意されており、これらを使うことでタブレットをノートPCのように活用できます。
Xiaomi Pad 7/7 Pro Keyboard(標準キーボード)
価格と機能のバランスが取れた、手頃な選択肢です。快適なタイピングを実現しつつ、タブレットの保護ケースとしても機能します。レポート作成やメールの返信など、ライトな長文入力をする機会があるユーザーにおすすめです。
Xiaomi Pad 7/7 Pro Focus Keyboard(高機能キーボード)
こちらは、より本格的な作業を想定した上位モデルです。キーボードバックライトと大型のガラス製トラックパッドを備え、暗い場所での作業も快適に行えます。タブレット本体を磁力で浮かせたように固定するフローティングデザインも特徴的です。OSの「Workstation Mode」と組み合わせることで、複数のウィンドウを自由に配置し、まさにノートPCそのものの操作感で作業に集中できます。
どちらのキーボードを選ぶべきかは、あなたの使い方次第です。文字入力を多用し、タブレット一台で作業を完結させたいのであれば、初期投資はかかりますがFocus Keyboardがもたらす恩恵は大きいでしょう。
おすすめのサードパーティ製カバー・ケース
純正アクセサリー以外にも、さまざまなメーカーからXiaomi Pad 7シリーズ専用のケースが販売されています。保護性能はもちろん、デザインや機能性、価格など、自分の好みに合わせて選べるのが魅力です。
手帳型ケース
画面全体を保護できるため、最も人気のあるタイプです。多くは、動画視聴に便利なスタンド機能を備えており、カバーの開閉に連動してスリープ状態を切り替えるオートスリープ機能に対応しています。Focus Penを収納できるペンホルダー付きの製品を選ぶと、ペンをなくす心配がなくなり便利です。
回転式ケース
手帳型ケースの一種で、タブレットを360度回転させられる機構を持つタイプです。これにより、縦置きと横置きの両方でスタンドとして利用できます。縦長のWebサイトを閲覧する際や、SNSのタイムラインをチェックする際に非常に便利です。ただ、製品によっては回転部分の作りが甘く、安定性に欠ける場合もあるため、購入者のレビューなどを参考にすると良いでしょう。
クリアケース・ソフトケース
タブレット背面のデザインやカラーを活かしたい場合に最適なのが、透明なポリカーボネートやTPU素材のケースです。本体を傷や衝撃から守るという基本的な役割を果たしつつ、軽量でかさばらないのが特徴です。
あなたに合うのはどっち?推奨ユーザー像

これまでの情報を踏まえ、どちらのモデルがどのようなユーザーに適しているのかをまとめます。この選択は優劣ではなく、「自分の使い方にどの機能が最も価値をもたらすか」という視点で判断することが鍵となります。
Xiaomi Pad 7を推奨するユーザー像
コストパフォーマンスを最優先するなら、Xiaomi Pad 7が最高の選択肢です。
- ハイコスパなエンタメ性重視: 動画鑑賞、ウェブ閲覧、電子書籍といった用途が中心で、最高の画質と音質をできるだけ予算を抑えて楽しみたいユーザー。
- 多くをこだわらない: レポート作成や資料閲覧といった学習・軽作業が主で、指紋認証がなくても特に困らないユーザー。Pad 7を選んで浮いた予算を、Focus Penやキーボードに回すという考え方も非常に合理的です。
- タブレット入門者: 初めて高性能なAndroidタブレットを購入するにあたり、失敗のない高コスパモデルを求めているユーザー。
Xiaomi Pad 7 Proを推奨するユーザー像
日々の「快適性」に投資する価値を見出せるなら、Xiaomi Pad 7 Proが最適です。
- 利便性・時短重視: 毎日のように使うデバイスだからこそ、ロック解除のわずらわしさから解放されたい、充電は少しでも速い方がいい、といった「小さなストレスの解消」を重視するユーザー。
- カメラ活用: タブレットでのビデオ会議や、写真・動画撮影、書類のスキャンを頻繁に行い、画質にこだわりたいユーザー。
- ヘビーゲーマー&ライトクリエイター: 少しでも高いパフォーマンスで快適にゲームをプレイしたい、あるいは特別なマットガラス仕様でイラスト制作に集中したいユーザー。
まとめ:Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proを選ぶ際のポイント
最期に、Xiaomi Pad 7とXiaomi Pad 7 Proを選ぶ上での重要なポイントを以下にまとめます。